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桜井政博さんが「カービィスパデラ」の企画書公開 “ヘルパーシステム”誕生までの課題解決の流れが興味深い(1/2 ページ)

「そういう意図だったのか」がいっぱい。

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 「星のカービィ」シリーズなどで知られるゲームデザイナーの桜井政博さんが、「星のカービィスーパーデラックス」(以下「スパデラ」)開発当時の企画書をTwitterで公開しました。主に“ヘルパーシステム”がどのようにして生まれたのかについて、課題が解決されていく様子が記されています。これは興味深い内容だ……!

星のカービィスーパーデラックス企画書 桜井さんが公開した「星のカービィスーパーデラックスの企画書(画像は桜井さん公式Twitterから)

 この企画書の公開に至ったきっかけは、10月3日に桜井さんが自身のYouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」でスパデラについて語ったこと。番組内では、スパデラが「2P同時プレイ」と「オムニバス形式」を大きなコンセプトとして作られたことが語られました。

 2P同時プレイは現任天堂代表取締役フェローの宮本茂さんに当時、「『カービィ』で2人同時プレイできへん?」と言われたことがきっかけだったとのこと。しかし、実現には解決しなければならない課題が多く、実装は難しいだろうと感じたそうです。

 とはいえ、難しいオーダーもちゃんとクリアしなければと考えられたのが、ヘルパーシステムでした。従来の平等な2人同時プレイではなく、カービィを主役に2プレイヤーのヘルパーは脇役として追従することでさまざまな問題を解決したと番組内で説明されています。

星のカービィスーパーデラックス企画書 1P2Pで重み付けを変えた画期的なシステムでした(以下、画像はYouTubeからから)
星のカービィスーパーデラックス企画書 主役・脇役の関係とコピー能力をかみ合わせてヘルパーシステムが作られていったそうです

 さらにTwitterで公開した企画書では、より詳細に課題がどのように解決されていったかの流れが記されています。最重要問題に「スクロール方向が反発する」、もう1つの問題として「激変する移動速度」があげられており、解決策として提案された「スクロール基準を片方のプレイヤーに絞る」に「解決不十分!」の文字が添えられています。

 さらにあがった問題の「お互いの攻撃が重なり合う」の解決策は「各プレイヤーの攻撃範囲を変える」が提案されたもののこちらも「解決不十分!」で、「お互いのプレイヤーを見失う」は「各プレイヤーの外見を変える」で解決となりました。

 これらの問題から導かれた結果として「2人のプレイヤーは別物にする必要がある(色違いはなし)」と結論付けられ、さらにここから新たな問題が提起され……とヘルパーシステムが誕生するまでの問題提起と解決策が記されています。今では当たり前のように感じるシステムが、こんなにたくさんの課題と解決策の上に誕生していたとは……! ゲームをプレイしたことのある人であれば、番組と合わせてぜひ1度は見てほしい資料となっています。

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