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“装具”をつけた子どもを見かけたら「席を譲っていただけると助かります」 公共交通機関利用時の協力を求めるツイートに「初めて知りました」と反響(1/2 ページ)

誰もが外出しやすい社会に。

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 一見気づきにくい脚のハンディキャップを抱える子どもの親の投稿が、Twitterで大きな反響を呼んでいます。「装具」を使用する子どもにサポートを呼びかける投稿には、「初めて知りました」「気づいたら席ゆずります」といったコメントが集まりました。

 ゆーすけさん(@jyunyou)が投稿したのは「足にこんな感じで装具を付けている子供を電車で見かけたら是非席を譲っていただけると助かります」というツイート。投稿には、足に装具をつけた5歳の娘さんの写真が添えられています。

立位・歩行に必要な足の機能をサポートする「下肢装具」の画像
立位・歩行に必要な足の機能をサポートする「下肢装具」

 装具とは、病気・怪我・障害などにより、身体の機能が低下したり、失われたりした時に、その機能障害の軽減を補うために使用する道具。大きく別けて「上肢装具」「体幹装具」「下肢装具」「靴型装具」に分類されます。

 娘さんが足につけているのは、立位・歩行に必要な足の機能をサポートする「下肢装具」です。下肢装具には複数の種類があり、ゆーすけさんの娘さんは、ふくらはぎから足底にかけて装着する「短下肢装具(たんかしそうぐ)」をつけています。

 ピンク色の装具には複数のストラップがついており、足に固定できるようになっています。一見すると長靴のようにも見え、装具のことを知らない人であれば、何を目的とするものなのか分かりづらいかもしれません。

「下肢装具」の画像
「装具をつけている人が困っていたら声をかけてほしい」とゆーすけさん

 娘さんは、装具をつけることで少し立ったり歩いたりすることができます。しかし、筋力が弱いため疲れやすく、不安定に揺れる電車内ではまだ長時間立つことができないといいます。

 ゆーすけさんによると、電車内では、優先席でもこちらから声をかけないと気づいてもらえなかったり、席をゆずってもらえなかったりすることがほとんどなのだとか。ゆーすけさんは、必要なときは自分から周囲に声をかけているものの、「もし気付いたら譲ってくれると嬉しい」と感じているそうです。

 投稿を見た人からは、「初めて知りました。足元は見えづらいので分からない人も多いかもしれないですね。見かけたらすぐに声をかけたいと思います!」「知りませんでした。気づいたら必ず席を譲ります。こういった情報共有大事ですね」「不自由な人が外出する事から遠ざからない社会って大切だと思います」などの声が。また、情報共有のためにこの投稿を広めようという動きもあり、記事作成時点で5万件を超えるリツイートがありました。

 反響からも分かる通り、まだまだ認知度が低い子どもの足の装具。編集部では、投稿者のゆーすけさんに話を聞きました。

−娘さんが電車で席をゆずられる頻度を教えてください。

ゆーすけさん:3回に1回程度でしょうか。

−電車など公共交通機関を利用する際に、大変な点があれば教えてください。

ゆーすけさん:子ども用のバギーも利用しているのですが、エレベーターが設置されていない駅の移動や、ノンステップでないバスの乗降車がとても大変です。

−ツイートに反響が寄せられていることに関して、感想を教えてください。

ゆーすけさん:ここまで反響があるとは思っておらず非常に驚いています。「装具」を知っていただき、公共交通機関の利用時だけでなく他の場面においても、これらを装着されている方が困っている様子であれば自発的に声をかけ、助けてあげてほしいなと思っています。

(了)

 ゆーすけさんの投稿は、装具の存在や目的を多くの人が知るきっかけになりました。外出先では周囲に目を配り、サポートが必要な人には積極的に声をかけられるようにしたいですね。

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