梅干しを始めとした梅商品を製造する和歌山の梅樹園(@Baijuen_Umebosi)が、現在の梅干し業界の窮状を訴えており注目を集めています。いったいどれほどの危機なのか、今後はどのような対策を考えているのか。話を聞いてみました。
現在の1世帯における年間の梅干し消費量は、約663グラム。これはピークだった2002年の1053グラムから約4割減で、梅樹園の梅干し倉庫はパンク状態になっているそうです。梅農家が作った梅干しは、その多くが行き場を失っているのが現状とのこと。
もしこの状態が今後も続けば、多くの梅干し屋が廃業しかねないそうです。この現状を打破するために、できることを全力でやっていくという梅樹園。詳しい話を聞いてみました。
―― 消費量が減った原因として何が考えられるのでしょうか。
梅樹園: 年齢層別に全国の梅干しの消費量をみると、2021年は29歳以下が303グラムだったのに対し、70歳以上が約2.8倍の834グラム。30代は387グラム、40代は436グラム、50代は617グラム、60代は755グラムと、高齢者の中には根強いファンがいることが伺えます。その一方で、若い世代の梅干し離れが進んでいます。
梅干し離れが進む原因としては、食の選択肢の多様化、朝ごはんにパンを選ぶ人が多くなったこと、家族構成の変化などから強い酸味が苦手な若者が増えていることが考えられます。
―― どのような打開策を考えていますか。貴社では梅酢など他の梅製品も販売していますが、梅干し以外の製品の拡充も検討していますか。
梅樹園:SNSを通じて、なぜ梅干しを食べているのか、またなぜ食べなくなったのかなど、多くの方に直接意見を聞きながら少しずつ改善していければと思っております。
また、梅干し以外にも梅の加工食品は多くあり、梅酒や梅ジャムへの展開、今はまだ見つかっていない新たな梅の可能性を見いだせればと思っております。
―― Twitterでの反響についてコメントや、消費者に伝えたいことがあればお願いします。
梅樹園: ありがたいことに、たくさんの応援のコメントや久しぶりに梅干し食べますなどの声をいただいております。私自身、小さいころから梅干しが大好きで、こうして多くの方に興味を持っていただけることは大変うれしく思っております。
少しずつではありますが、現状を打破するために弊社ができることに全力で取り組み、また梅干しが食べたくなったときは我慢せずに食べて頂けると助かります。
梅樹園: また、梅の食べ方についての質問が多く寄せられていたため、お勧めの食べ方をご紹介させてください。
ごはんと一緒はもちろんですが、この時期ぜひ試していただきたい食べ方が「鍋に梅を入れる」です! ポン酢に溶かして食べるのも最高ですが、個人的にはごま坦坦味に梅干しを溶かして食べるのが絶品です。ぜひ好みのお鍋に梅干しを合わせてみてください!
画像提供:梅樹園(@Baijuen_Umebosi)
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