松野博一内閣官房長官は2月3日の記者会見で、車いすテニスの元プロ選手で現役引退を明かした国枝慎吾さんに対し、国民栄誉賞の授与を検討していることを明らかにしました。同競技で多大な功績を収めた国枝さんの授与に対し、ネットでは納得の声が寄せられています。
国枝さんは、9歳の時に脊髄腫瘍を発病して車いす生活に。母の勧めをきっかけに車いすテニスに打ち込むようになり、これまでに数々の国際大会で優勝、年間グランドスラムの成績をおさめ、パラリンピックの金メダル4個と銅メダル2個を獲得、世界ランキング1位のまま、1月に現役引退を表明しました。ちなみに国枝さんのWebサイトによると、座右の銘は「俺は最強だ!」とのことです。
松野博一内閣官房長官は、2月3日午後の記者会見で、「歴史に刻まれる前人未到の快挙を成し遂げ、20年近くにわたって車いすテニス界の第一人者として、世界のトップで活躍されました」と称賛。
そのうえで、「パラスポーツ全体の普及、そしてスポーツの発展に極めて顕著な貢献をし、広く国民に夢と感動を、そして社会に明るい希望や勇気を与えました」と功績をたたえ、国枝さんへの国民栄誉賞授与の検討を進めるよう、岸田首相から指示があったことを明らかにしました。
内閣官房長官の発表に対し、ネットでは、「妥当でしょ」「国枝慎吾さんの国民栄誉賞は大賛成。後にも先にもこの偉業を達成できる人は現れないと思うくらいすごい」「全く異存なし。むしろ、こういう機会を通じて、車いすテニスというスポーツの知名度を上げることに、貢献できれば良い」と納得の声が多く上がっています。
また、国枝さんの功績から「東京パラのシングル金の時点で授与していてよかったよなあ」「もっと前にもらっててもおかしくない」「え?今ごろ?と思う」と今になっての授賞に疑義を感じている人もいました。
国民栄誉賞は、広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった人について、その栄誉をたたえることを目的として設立された賞。内閣総理大臣表彰の1つで、受賞者には表彰状と盾が授与されるほか、記念品または金一封が与えられることもあるそうです。
近年では、フィギュアスケート選手の羽生結弦さんや棋士の井山裕太さん、羽生善治さんなどスポーツ選手や棋士の授賞が目立っています。
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