動物保護団体代表のパワハラが常態化、保護子猫の葬儀で怒鳴り声―― 連鎖退職の理由を元スタッフが告発(前編)(1/3 ページ)
元スタッフと関係者に取材しました(前編)。
2月2日、文春オンラインは「NPO法人SPA」の代表齋藤鷹一氏による元スタッフAさんへのパワハラ疑惑を報道した。
記事によると、退職についての相談をしたAさんに対し、齋藤代表は財布や金を投げて「うるせえよ! もうほんと黙ってろ! 二度と声かけるな! こんなクソみてえな人間と一緒になんかできるかよ!」などと発言。Aさんは心療内科を受診し、適応障害と診断されたと報じられている。
SPAにはAさんの他にも、「動物たちの命を救いたい」「保護活動を広めたい」と動物の専門学校を卒業したばかりの志高いスタッフや、20代前半の若いスタッフが集っていた。しかし実は、Aさんだけでなく複数のスタッフが2022年に短期間で次々と退職している。
動物保護活動に力を注ぎ、生業にしたいと願った元スタッフたちは、なぜSPAを去らざるを得なかったのか。元スタッフたちがねとらぼ編集部に証言した。
NPO法人SPA……2019年6月に齋藤鷹一氏が設立。東京都大田区に店舗をかまえ、全国各所の保護団体や動物管理センター、保健所から預かった犬猫たちを新しい飼い主に譲渡している。
パワハラ疑惑は「事実です」「常に代表の顔色を伺っていました」
齋藤代表のパワハラが常態化していたことは事実であるかを元スタッフたちに質問すると、3人全員が「事実です」と証言した。
「初出勤日に、代表がAさんに『お前がそういう雰囲気を作ってるから新人が聞きにくいんだろ』と怒鳴っていて、Aさんが謝っていました。Aさんは全く悪くないのに私にも謝ってきて、初日にこれで大丈夫なのかと思いました。代表は機嫌次第で、前日はOKだったことも翌日には怒鳴っているんです。代表が店舗にいるときは私も怒鳴られないか心配で、常に顔色を伺っていました」(Bさん)
「パワハラは事実です。怒鳴られるのは日常茶飯事だったので、同じシフトに代表がいるといやだねとスタッフ間で話していました。例えば、『PCでこの作業をやって』と代表に指示されてやっていると、部屋に戻ってきた代表に『PCをさわるなんてどういう神経してるんだ』と言われる。代表に言われたからやってますと答えると、『うるせーな』と訳が分からない怒鳴り方をされる。代表のその日の機嫌によって、いつもは怒られないことも怒鳴ってくるので、スタッフは毎日手探り状態でした」(Cさん)
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