「納豆が解禁になり思わず泣く」 酒蔵の職人が半年ぶりの“禁断の朝食” 「ご苦労様でした」「おいしかったでしょ!」の声(1/2 ページ)
春先から秋口に限り納豆を許される、玉旭酒造の杜氏に話を聞きました。
納豆菌は麹(こうじ)菌に悪影響を及ぼすほど強いので、酒蔵では納豆の食用が禁じられている――とは有名な話(関連記事)。そのタブーが麹造りの完了とともに解禁され、久々の納豆を「むせび泣く」までに味わった、酒造りの最高責任者「杜氏(とうじ)」のツイートが話題を呼んでいます。
投稿者は、富山県の老舗酒蔵「玉旭酒造」(公式Twitter)。同社は麹室(※)に出入りがある秋から春にかけては納豆厳禁で、それ以外の期間は「解禁」としているそうです。
※こうじむろ。麹をねかし、麹かびを繁殖させる保温室(大辞林4.0)
3月15日に約半年ぶりの解禁を迎え、同社の杜氏は納豆ご飯を大盛りにして写真を投稿。喜びがありありと伝わるツイートには、「仕事上ずっと納豆禁止だと思っていましたが、解禁される時期もあったんですね」「さぞかしおいしかったことでしょう!」「ご苦労様でした」と、ねぎらいの言葉が寄せられました。思いがけぬ反響にテンションが上がり、杜氏はその日また納豆を開けて晩酌を楽しんだとのこと。
「納豆はどんな工夫をしてもうまい」
その味わいはどれほどだったのか、ねとらぼ編集部は詳しい話を聞きました。
――納豆が食べられない期間は年にどのくらいあるのでしょうか。
玉旭酒造・杜氏:晩秋に麹造りを始めて、初春に麹室を掃除し終わるまでですから、年にもよりますがおおむね10月下旬から3月中旬です。これはあくまでも弊社の場合で、通年で醸造をしている会社もあります。
――禁止期間に納豆を食べてしまった場合、どんな事態になるのか気になります。
玉旭酒造・杜氏:麹菌と納豆菌は好む生育環境が似ているため、納豆を食べた人が入ると、麹室や麹が納豆菌に汚染される危険性が出てきます。麹造りにおいて納豆菌が混じると、「ヌルリ麹」や「スベり麹」などといって、ぬるぬるした麹ができてしまい、酒造に要求される酵素力価が得られず、品質や収量に悪影響が出ます。
――久しぶりに納豆で晩酌した気持ちをお聞かせください。
玉旭酒造・杜氏:羽化登仙(※)とはこのことか、という感じでした。
※うかとうせん。中国古来の神仙思想などで,人間に羽が生えて仙人になり天に昇ること。また,酒に酔ってよい気分になることの例え(大辞林4.0)
――ちなみに、お好きな納豆の食べ方は何ですか?
玉旭酒造・杜氏:普通にネギを加えて朝ご飯のおともにするほか、晩酌のさかなにも。どんな工夫をしてもうまいと思います。納豆がある国、清酒がある国に生まれ育って良かったです。私は若いころにバックパッカーをしていまして、約70カ国にトータル7年半くらい滞在しましたが、日本に落ち着くことになってまったく悔いがありません。
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三度見くらいしてしまいそう。