英歌手アデルが現地時間の7月1日、米ラスベガスで行われた自身のショーで、アーティストのステージに観客が何かを投げ入れる行為について挑発的に言及。6月から特に顕著になってきたこの問題は、アーティストがケガを負ったり精神的な動揺を与えられる結果を招いています。
ファンがSNSで拡散している動画の中で、「最近、みんながコンサートのエチケットを忘れてるの、気づいてる?」とTシャツの入った空気銃のようなものを片手にステージを歩くアデル。
意味深な言葉に続けて、「ステージにクソを投げるやつがいるんだよ。見たことある?」「やってみな。私に何か投げてみな。殺すからね」となんとも力強いせりふを口にしたあと、Tシャツ銃を観客席に向けて発射。そして「アーティストに何か投げつけたりするのはやめて」と呼びかけました。
アデルが空気銃でTシャツを飛ばすのはこれが初めてではなく、過去にもファンサービスの一環として行われたことがありました。しかし今回は、自分の言っていることとやっていることにおかしな矛盾があることに気づき、「観客に何か撃つことはできるんだけど……」「完全に逆。Tシャツ銃をしまわなきゃ」と吹き出しながらコメントしていました。
最近アーティストが傷つけられるような出来事にうんざりしていたファンたちは、大胆なアデルの振る舞いに「アデルは世界の宝だな」「これがアデルよ。彼女のステージに何か投げたらそいつは終わり」「コメディ番組やってほしい。すごく自然だし面白いよ」「彼女は客層がちょっと違うから、物を投げつける人は現れないよ」など、称賛したり、興味を持って意見を交わしたりと大いに盛り上がっていました。
ステージに向かって観客が何かを投げるという行為は、まず6月19日に米シンガー・ソングライターのビービー・レクサが、「当たるか試してみたかった」と観客の男性が投げたスマートフォンが目に当たり、腫れあがった顔写真をInstagramへ投稿したことから問題視され始めることに。
ビービーの一件に続き、米シンガー・ソングライターのエイバ・マックスが20日のコンサートで、ステージへ乱入した男性に顔を平手打ちされる事件も発生。また6月25日には米シンガー・ソングライター、ピンクのステージに母親の遺灰を投げる観客が現れその場にいた多くの人を動揺させた他、7月1日には米ラッパー、リル・ナズ・Xのステージにセックストイが投げ入れられています。
これだけ多くのショッキングな出来事が続く中、アデルのような人気アーティストが言及することが何かしらの突破口になるのかもしれません。
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