ジャニーズ事務所が故ジャニー喜多川氏の性加害問題に関し、10月2日に会見を行ったことを受け、テレビ局各社がコメントを発表しました。
故ジャニー喜多川氏の性加害問題に関し、ジャニーズ事務所が会見を開くのは9月8日に続き二度目。10月2日の会見では、社名を「SMILE-UP.」に変更し、SMILE-UP.は性加害に遭った被害者の補償業務を行った上で、廃業すると発表し、タレントマネジメントや育成業務からは撤退し、タレントのプロデュースなどは今後設立するエージェント方式の新会社が担当することを明らかにしました。また、同日には国連人権理事会「ビジネスと人権に関する指導原則」などに基づいた「グループ人権方針」の策定も発表しています。
こうしたジャニーズ事務所の動きを受けて、テレビ局各局はコメントを発表。被害者救済や再発防止に向けた取り組みが確実に実施されていくかどうか、ジャニーズ事務所の動きを注視し、見極めていく方針を明らかにしました。
10月2日の会見については、性加害問題の解決に向けて一定の前進があったとする意見が出た一方、ジャニーズ事務所の発表には不明確な部分が残るとの指摘もあり、各局は引き続きジャニーズ事務所へ性加害や人権侵害の再発防止を求めていく考えです。
- 「きょう記者会見で示された方針も含め、今後も事務所側とのやりとりを継続し、被害者への補償と再発防止に向けた取り組みが着実に実施されているか確認してまいります」(NHK)
- 「(今後の救済策などの)取り組みが早急かつ確実に実施されるようジャニーズ事務所と適切な対話を続け、進捗を注視してまいります」(日本テレビ)
- 「テレビ朝日としては、『SMILE-UP.』が被害者の補償・救済を速やかに、かつ誠実に実施するよう求めて参ります。新会社は、エージェント契約を軸とした新しい形態になりますが、特に、若年層の育成の過程において万全のケアを行って欲しいのと同時に、人権侵害に関わる問題が再発しないよう最善の努力を傾注して頂きたいと要望します」(テレビ朝日)
- 「TBSは先日行ったジャニーズ事務所への要望に基づき、今後も定期的な対話を通じて、被害者の救済や二度と人権侵害を起こさないような組織体制の構築をより具体的に進めるよう促して参ります」(TBSテレビ)
- 「このたび示された方針が速やかに実行されていくよう求めてまいります。ただ、具体的にはまだ詳細が不明な部分もあり、引き続きジャニーズ事務所の対応を注視してまいります」(フジテレビ)
- 「ジャニーズ事務所の発表内容は、経営ガバナンス強化や被害者救済の早期実施などを求めたテレビ東京ホールディングスの申し入れに沿った内容であり、解体的な出直しに向けて一定の前進はあったと受け止めています」(テレビ東京)
所属タレントの起用はどうなる?
また、日本テレビやテレビ朝日など複数のテレビ局が今後のタレントの起用について言及しました。
日本テレビは、9月の会見後「現時点でジャニーズ事務所所属タレントの番組出演について変更する予定はない」としてましたが、10月2日の会見後は「本日表明された対策が確実に実施されているか見極め、適切に判断してまいります」とコメント。
フジテレビも「キャスティングに関しては、被害者への対応が着実に実施されていることを確認しながら適切に判断してまいります」と、ジャニーズ事務所の対応を注視する姿勢です。テレビ東京も「発表内容については不明確な事項が多いため、ジャニーズ事務所に事実関係を確認したうえで、今後の当社の方針を決めたいと考えている」としています。
テレビ朝日は「企画内容などを踏まえ総合的に判断していくという方針に変わりはありません」とし、9月時点で明らかにした方針を継続する考えです。
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