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JR東の“タッチパネル自販機”がサービス終了、順次撤去発表で惜しむ声 終了の理由を聞いた(1/2 ページ)

また復活してほしい。

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 JR東日本が駅ナカなどに設置しているタッチパネル式の「イノベーション自販機」について、順次サービスを終了すると発表しました。自販機自体も撤去していくとのこと。なぜ終了に至ったのか、その理由を取材しました。

イノベーション自販機 イノベーション自販機(以下、画像はacure pass公式サイトから)

 イノベーション自販機はタッチパネル式になっているだけでなく、アプリ「acure pass(アキュアパス)」と連携してさまざまな独自サービスを提供しているのも特徴。例えば、“サブスク”形式で毎日ドリンクが購入できたり、アプリ内で事前購入ができたりする他、ドリンクのプレゼントにも対応していました。

イノベーション自販機 タッチパネルで購入できました

 しかし、2023年10月以降、順次自販機とacure passのサービスを終了していくと発表。すでにアプリでの商品購入や定期商品の新規購入、更新などは終了しています。2024年3月31日には、ドリンク受け取りを含め全サービスが終了予定です。

 なぜ終了することになったのか、イノベーション自販機を展開するJR東日本クロスステーションウォータービジネスカンパニー(以下「クロスステーション」)に話を聞いてみました。

―― イノベーション自販機の導入時期やその背景を教えてください。

クロスステーション: 2017年より展開を開始しました。スマートフォンアプリ「acure pass<アキュアパス>」と連動し、アプリ内での事前購入やドリンクのプレゼントなど、これまでにはない“自販機の新体験”をお客さまへ提供することをコンセプトとしています。

 アプリと連動することで、これまで自販機一台一台では不可能だったまとめ買いやタイムセールなども実現。また2019年にはサブスクサービスも開始しました。自販機本体に機能を設けず、アプリを介することで新機能サービスをアップデートし続けることができたことも、大きな変革だったと捉えています。

―― 今回撤去にいたったのはなぜなのでしょうか? また、撤去に伴う注意点などあれば教えてください。

クロスステーション: 最初のイノベーション自販機は2017年3月よりフィールドテスト機を20台市場に展開していましたが、5〜6年がたち、現時点では全て引き上げています。

 2018年3月以降、現行のイノベーション自販機は約400台展開しているのですが、こちらも自販機として設置の年月がたち、当社が定める機体運用年数に達することから、一定の役割を終えたという判断です。アキュアパスやサブスクは、イノベーション自販機を受取場所としたサービスであることから、併せてサービス終了となります。詳細はアプリ内にて告知を行っております。

―― 設置期間中にはユーザーからどのような反応がありましたか。

クロスステーション: 2019年に初回募集を行った日本初の自販機サブスクサービス「every pass」には、定員を大きく上回る方からご応募をいただきました。

―― SNSでは「イノベーション自販機」の終了を惜しむ声も上がっています。この先、復活の予定などはありますか?

クロスステーション: 現時点で予定はしていません。

―― 今後、どのような自販機を開発・設置していきたいか、展望はありますか。

クロスステーション: 当社は2021年4月にエキナカの事業会社4社が合併し、現在は自販機単体はもちろん、エキナカ全体の魅力向上を図っています。JR東日本グループ全体で、JREポイントを活用したマーケティングに注力しています。JREポイントの利用を促進することで、Suicaを活用したマーケティングデータの分析の精度をより高めていきたいと考えています。その中ではキャッシュレス化を推進しており、「駅丸ごとキャッシュレス」施策などを通じて、キャッシュレス専用自販機を増やしています。

 また、飲料自販機にとどまらず、食物販機や冷凍自販機などを活用してMD(マーチャンダイジング)の幅を広げるなど、自販機ビジネス領域の拡大に向けて取り組んでいます。さらには、自販機オペレーションにおける人手不足など、直面する事業課題に対しては、機体やオペレーションシステム・ネットワーク化などDX推進により、解決に向けた取り組みを進めています。

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