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「ハレー彗星」が戻ってくる! 2023年12月、折り返し地点の「遠日点」に到達

2023年12月9日に「遠日点」に到達。

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 約76年の周期で地球に接近する「ハレー彗星」。日本でも大きな話題となった前回の回帰は1986年春のこと。2023年12月9日、ハレー彗星が太陽から最も遠い位置である「遠日点」に到達し、いよいよ地球に戻る帰還の旅に転じます。現在は、およそ35.1天文単位というはるか彼方、海王星の軌道の外に位置しています。

 今回は、ハレー彗星と彗星の種類、彗星からうまれた流星群についてご紹介します。

太陽系の彗星の種類は?二度と戻らない彗星も


画像:国立天文台

 彗星は大きさが数キロメートルから数十キロメートルの、とても小さな天体です。成分は約8割が氷の状態の水で、二酸化炭素、一酸化炭素、その他のガスや微量のチリで形成されています。

 太陽系の惑星の公転軌道は円に近い楕円を描いていますが、彗星の公転軌道は細長い楕円のものが多くなります。放物線や双曲線軌道を描くものもあり、このような彗星は太陽に近付くのは一度きりで二度と戻ってきません。

 楕円軌道をもつ彗星のうち、公転周期が200年以内のものは「短周期彗星」、それよりも長いものは「長周期彗星」と呼ばれています。公転周期が約76年のハレー彗星は短周期彗星にあたり、人によっては生涯で2度見ることも可能な彗星。そのため注目度も高く、古くから多くの文献に記録されています。

出現記録は紀元前から!肉眼で見える「ほうき星」

 地球から肉眼で観測できるハレー彗星は、多くの周期彗星のなかでも最も初期から知られた彗星です。観測記録は紀元前まで遡るとされ、英国の天文学者エドモンド・ハレー(1656〜1742年)が、同じ彗星の回帰であることを最初に発見しました。

 ハレー彗星が太陽系で最後に見られたのは1986年春。次回は2061年の夏に再び太陽に近付き、地球のそばを通過すると予測されています。その時は、夜空の明るい星と同じくらいの輝きで、「ほうき星」とも呼ばれる尾をひく姿を観測できると期待されています。

ハレー彗星の贈り物。毎年楽しめる2つの流星群

 彗星の主成分は氷の状態の水のため、太陽に近付くと彗星本体の表面が少しずつ溶けて蒸発します。その時にガスとチリも一緒に表面から放出され、彗星の本体が淡い光に包まれているように輝いて見えます。また、ガスとチリは、ほうきのように見える「尾」も作り出します。

 彗星の尾には大きく分けると、ガスが作る「イオンの尾(または、プラズマの尾)」と、チリが作る「ダストの尾(または、チリの尾)」の2種類があります。一部の粒の大きなチリは彗星と同じように彗星の軌道を周回し続け、流星群を出現させます。

 毎年5月と10月に、地球は1986年にハレー彗星が内太陽系に残したチリの帯のなかを通過します。ハレー彗星のかけらは、5月は「みずがめ座η(イータ)流星群」、10月は「オリオン座流星群」となり、私たちに美しい流れ星を見せてくれるのです。

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