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近大のチョウザメ研究で「メスだけを生む“超メス”」選抜に成功 養殖キャビアの生産効率向上に期待(1/2 ページ)

ロシアチョウザメは外見では雌雄を見分けられないため、生殖腺が発達するまでの数年間はオスも飼育する必要があるという課題の解決に期待。

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 近畿大学と宮崎県水産試験場は、ロシアチョウザメの「メスだけを生む超メス」候補を選抜することに成功したと発表しました。養殖キャビアの生産効率向上が期待されるとしています。


雌性発生(メス由来の遺伝情報のみから発生)したロシアチョウザメ

 ロシアチョウザメは外見では雌雄を見分けられないため、生殖腺が発達するまでの数年間はオスも飼育する必要があり、キャビアの生産効率が低いという課題があります。この効率の悪さを解決すべく、同校の新宮実験場は稚魚のエラ粘液によるメスとオスの判別や、オスからメスへの性転換といった研究に取り組んできました(関連記事)。

 チョウザメの性を決定する染色体はZとWで表現され、Z染色体だけを持つオス(ZZ)と、ZおよびW染色体を持つメス(ZW)が存在すると考えられていました。同校は2022年にコチョウザメを使った先行研究で、オス、メスそれぞれの性染色体に特異的なDNA配列を同時に検出するPCR手法を使って、W染色体だけを持つ超メスが存在していることを証明しました。

 今回の研究では、ロシアチョウザメの精子の紫外線処理と、受精卵の温度処理を組み合わせることで、母親由来の染色体だけを持つ稚魚を大量に得ることに成功。さらにその中から、PCR検査法を用いてW染色体だけを持つ超メス候補を選抜したとしています。


全メス生産の流れ

 超メスの卵からはメスのみが生まれると考えられるため、今後、ロシアチョウザメの全メス養殖の実現が期待できると同校は述べ、チョウザメ養殖で生産者の大きな負担となっている雌雄判別作業が不要になりキャビア生産効率が格段に高まるとしています。

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