人気スラッシャー映画シリーズの第7作目となる「スクリーム7」で監督を務める予定だったクリストファー・ランドンが、同作からの降板を発表。同作はすでに主演予定だったメキシコの俳優メリッサ・バレラがイスラエルとハマスの紛争に関するSNS投稿が原因で解雇されており、その際クリストファーによる発言がファンから強い反感を買っていました。
主演2人に続き、とうとう監督も降板
クリストファーは12月24日にX(Twitter)へ、「私が7週間前に、『スクリーム7』からしりぞいたことを発表するのは今がちょうど良い時なのではないかと思う。がっかりする人もいれば、喜ぶ人もいるだろう。悪夢と化した夢の仕事だった。関係者全員のことを思うと胸が張り裂けそうだ。全員だ。でも前に進むときなんだ。私には何もないんだ」と投稿し、監督降板を伝えました。
続けて、「ウェスの遺産が繁栄し、分断された世界の騒音を乗り越えていくことを願う。彼とケヴィンが作り上げたのものはすばらしく、私はその輝きに浸された時間をつかの間でも持てたことを誇らしく思う」とシリーズ生みの親で、第1作目から第4作目まで監督を務めたウェス・クレイヴンと、1、2、4作目脚本のケヴィン・ウィリアムソンの名を出し、第7作目の監督に選ばれたことがどれだけ光栄なことであったか、また現時点で多くの困難を抱える同シリーズが現状を打開することを望むとしました。
解雇は「僕が決めたことじゃない」 炎上続きだったこれまで
事の発端は、シリーズ第5作目「スクリーム5」からサム・カーペンター役として登場し、第6作目では主役を務め、第7作目でも続投予定だったメリッサの解雇が報道されたこと。解雇理由は10月7日からはじまったイスラエルとハマスの紛争に関し、メリッサがInstagramに投稿している内容が“パレスチナ寄り”であることだとされていました。
同シリーズを制作するスパイグラス・メディア・グループは同社の「スタンスは疑いなく明白」として報道内容を認める声明を発表。一方メリッサ本人は、自身は反ユダヤでもイスラムフォビアでもなく、「最も必要とする人のため声をあげ続け、平和と安全、人権と自由を擁護し続けます」と世界中の人々が安寧に暮らせることを望んでおり、信念を貫いてSNS投稿はこれからも続けていくとコメントし現在も主張を曲げていません。
そもそも同シリーズでは、第1作目から第5作目までシドニー・プレスコット役として主演を務めたネーヴ・キャンベルが高い人気を誇っていましたが、第6作目では報酬の交渉で合意に至らず降板。第6作目から主演となったメリッサはファンの不安を払拭(ふっしょく)するような強い存在感を示し、その彼女をSNSの投稿を理由に解雇したという事実が信じ難いとして大きな反発を呼び、「スクリーム7」のボイコットを呼びかけるハッシュタグ「#BoycottSCREAM7」も拡散されました。
クリストファーはメリッサの解雇が発表されたのち、Xに“声明”を発表。「これは僕の声明:何もかも最悪。わめくのはやめてくれ。これは僕が決めたことじゃない」と解雇の決定に自身はかかわっておらず、批判を向けるのはお門違いであると訴えていました。するとこの投稿にはメリッサへの思いやりも感じられず、幼稚で自身のことしか考えていないとまた別の批判が多数寄せられることに。今回クリストファーが投稿したように「7週間前」に監督を降りたとすれば、メリッサが解雇された直後の決断であったのではと想像されます。
新主役は一転してイケおじ俳優に? どうなる「スクリーム7」
Xでは、「メリッサをクビにした」などの批判に「僕がクビにしたんじゃない」と何度も反論していたクリストファー。今回もユーザーからの批判に「僕にはプライバシーを守り、このあり得ない状況に対して個人的なアプローチをする権利がある。僕は世間に何の義務も負っていない。僕は人間で、メリッサが自身の信念を貫くのと同様の権利を持っているし、いつどこでそれをシェアするのかを選ぶ権利もある」と言い返すなど、この状況がかなり堪えている様子がうかがえます。
同作はメリッサの降板だけにとどまらず、メリッサ演じるサムの妹タラ役を務めるジェナ・オルテガも出演しないと報じられています。報道はメリッサの解雇が確認された直後のものでしたが、ジェナが出演しないのは「ウェンズデー」(Netflix)のヒットで売れっ子になったジェナのスケジュール上の都合でありメリッサとは無関係とのことです。
これで前作までのヒロイン、メリッサもジェナに加え、監督すらも不在となってしまった同作。一部報道によるとシドニー役のネーヴとの再交渉、また「スクリーム3」にマーク・キンケイド刑事役として出演したパトリック・デンプシーの名前まで挙がっています。
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