「バービー」アカデミー賞の“不遇”にマーゴット・ロビーが初コメント 共演者が続々と失望表明も「悲しむなんてありえない」(1/2 ページ)
別の“報酬”があるとマーゴット。
豪俳優マーゴット・ロビーが1月30日、主演映画「バービー」でアカデミー主演女優賞にノミネートされなかったことについて初めて口を開きました。興行成績が大成功を収めたにもかかわらず同作が主演女優賞と監督賞にノミネートされなかったことに、世間や共演者からは失望の声が上がっており、マーゴットのコメントにも大きな注目が寄せられていました。
女性監督初の世界興行収入10億ドルを達成した「バービー」
映画「バービー」は人形と人間の世界を交錯させることで、いまの社会に存在する差別や不平等を浮き彫りにし、多様性の大切さ、そして特に若い女性に可能性は無限であるというポジティブなメッセ―ジを与えている作品。アカデミー賞へは8部門にノミネートされており、グレタ・ガーウィグ監督は夫のノア・バームバックとともに脚色賞で、プロデューサーでもあるマーゴットは作品賞でオスカー像を手にする可能性があります。
しかしマーゴットの主演女優賞と、同作によって単独女性監督として初の世界興行収入10億ドル突破など歴史的な記録を打ち立ててきたガーウィグ監督の監督賞はノミネートならず。この2部門は特に作品にとって大切な部門だという向きが強く、同作を冷遇していると捉える声も上がっていました。
マーゴット本人が心境を告白
米Deadlineは、30日に開催されたSAG(映画俳優組合)による特別上映会でマーゴットがこの件へ初めて口を開いたと報道。マーゴット自身は記事の中で世間の反応とは裏腹に、「こんなに恵まれているってわかってるのに、悲しむなんてありえません」と今の状況をポジティブに捉えていることを明かしました。
ただしガーウィグ監督が監督賞にノミネートされなかったことについては「グレタが監督としてノミネートされるべきだったのは明らかです。彼女が成し遂げたことは本当に、キャリアにおいてただ一度、生涯でただ一度のことだから」と述べ、監督の仕事はノミネートに値するものだったとマーゴット。
そしてアカデミー賞での8部門ノミネートに喜びをあらわしつつ、「私たちは何か、文化に変化をもたらし影響を与え、ある種のインパクトをも与えるような作品を目指していました」とチームがどういった目標を持って作品を制作したかを語り、「そしてこれは、すでに私たちが夢見ていた以上のことを成し遂げているんです。そういった全てから得られるものが本当の、最大の報酬なんです」と賞レースに勝つことが全てではないことも伝えています。
一方で共演者たちは……
しかし、マーゴットが自身のことを差し置きガーウィグ監督については「ノミネートされるべき」とコメントしたように、共演者らは少々複雑な思いを隠し切れなかったもよう。
アカデミー賞では助演男優賞にノミネートされているケン役のライアン・ゴズリングは、自身のノミネートを喜びながらも「バービーなくしてケンはなく、グレタ・ガーウィグとマーゴット・ロビーなくしてこの映画はありませんでした」とコメント。「彼女たちがそれぞれの部門でノミネートされなかったことに失望したというと、控えめな表現になります」と述べています。
また、助演女優賞にノミネートされているグロリアを演じたアメリカ・フェレーラは米テレビ番組TODAYに対し、「本当にがっかりしています」とコメント。
「彼女たちが作り上げたものは前代未聞で予想外の物でした」とマーゴットとグレタが成し遂げたことに言及。さらに「グレタはパートナーとすばらしい脚本を書きあげ、監督として1つの世界を作り上げました。私にとって彼女は信じがたいほど優れた映画監督」とガーウィグ監督に賛辞を送り、「それで皆、がっかりしているんだと思います」と語りました。
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