ありがちな女性向け恋愛ゲームと思いきや、なんだこれ!? イケメン×突然二丁拳銃を装備して戦うハイクオリティ3Dアクション「恋と深空」(1/2 ページ)
なんだこれ……!
2024年に入って大作ゲームが数多くリリースされ、どれを追いかけようか悩んでいる人は多いのではないでしょうか。そんな中でひときわ目立つ、というか「何だこれ」という話題になっているゲームがありました。それは「恋と深空(しんくう)」という作品。
女性向けの恋愛ゲームという前評判であり、実際3Dで描かれた美麗な男性たちの画像が印象的なのですが、プレイした人のスクリーンショットを見てみると、どう見ても3Dアクションゲーム。これは一体? となりダウンロードしてみました。
ライター:怪しい隣人
出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。
ゲームタイトルがよく分からないタイトル画面からゲームを開始すると、自分の分身であるキャラクターの作成を求められます。キャラクターの作成方法は「デフォルトのパターンから選ぶ」「パーツを細かく指定してカスタマイズする」以外に「写真からキャラクターを生成する」というものがあり、なんとその場でインカメラを使って顔を撮影し、そこからデータを生成してくれるのです。
そんな面白いもの試さずにはいられません。さっそく自分の顔を撮影してキャラクターを生成してみました。あまり似ていないものの目元がなんとなくそれっぽい、ぐらいの美少女キャラが出来上がってくるバランス感覚が絶妙だと思います。中年のおっさんをリアルに再現されても困りますからね。
キャラクターメイク完了後ゲームがスタートするのですが、突然謎の宇宙船が事象の地平面を超えブラックホールの特異点に墜落するシーンから始まります。
前知識を全く入れずにゲームを開始したので、ここで「え、これSFなの!?」となってしまいました。このシーンにどういう意味があるのかは分からないのですが、とにかくオープニングは進んでいき、ここが遠い未来であることが分かります。
自分が住んでいる未来都市に“ワンダラー”と呼ばれる怪物が現れることになったこと、自分がその怪物を狩る“深空ハンター”と呼ばれる存在になったことが語られ、自分が“Evol”と呼ばれる超能力を持つ“Evolver”と呼ばれる存在であることもそこで分かります。
ここまで自分がプレイしているのが本当に恋愛ゲームなのか疑わしい展開が続いてきたのですが、深空ハンターとなった主人公が参加した初の任務で謎の男性に出会います。すると、突然現れた編成画面と「戦闘時は画面が横向きになります」というメッセージの後にロードされた画面には、本格的な3Dゲームが。
現れた敵を相手に華麗な二丁拳銃で戦う自分。気がつくと、名前も聞いていない彼と2人で戦闘することになっていました。「最初の試練」というステージタイトルに「恋愛ゲームの試練かこれ!?」という気分になってきます。
超能力者だとは聞いていましたがここまでアクションができるとはまったく想像していませんでした。仮想十字キーで移動し攻撃ボタンやスキルボタン、必殺技ボタンを駆使して戦う別の意味で安心感がある操作系なのですが、その代わり恋愛ゲームとは思えません。
戦闘が終了すると、自分のことを誰にも言わないでくれという男が、ようやくセイヤという名前だと分かります。このあたりのやりとりはいかにも恋愛ゲームのようでちょっとホッとします。ここで「願う」という名のガチャが解放され、彼のブロマイドのようなものが思念として手に入ります。まだ「思念」がどういうものかここではよく分かりません。
ストーリーを進めていくと、今度は“幼なじみ”の“医者”で“自分の主治医”で“クールな男”というちょっと属性が盛られぎみの男性、レイが登場します。
自分も幼いころの事故で心臓にワンダラーのコアが残ってるとか言うとんでもない属性がサラッと語られるのですが、クールな彼とのやりとりはこれまた恋愛ゲームらしく、戦闘から離れてしまえばやはりそういう作品なのだと再認識させられます。
別の任務で出掛けた先でレイと偶然出会うところまでは大人しく恋愛ゲームとして進められる一方で、自分はハンターであり任務といえばやはりワンダラーと戦うこと。やっぱり横画面の戦闘が待っており、ここでレイも超能力を使って戦うことになるので「えっ君もそうなの!?」みたいな驚きがありました。レイとの出会いの後にはキャラクターごとの個別エピソード的なシナリオを閲覧できるようになり、ちょっとしたデートのような文章が読めたりします。
デートのような文章を挟んで再び任務へと戻る主人公。任務のきっかけとなった絵画について調べるうちにその絵を描いた画家・ホムラと出会うことになります。こちらもその絵に秘められた謎を調べていくうちに一緒に戦うことになるのですが、このあたりになると男性との出会いの後には戦闘が来る、というリズムにだんだん慣れてきてしまっています。
この戦いを終え、ホムラの家から帰る途中にセイヤと再会。セイヤはもともと自分と同じハンターっぽいので戦いの場で再開することに違和感は感じませんし、もう完全に男性との出会いとお話の展開に戦闘がセットになっていることに慣れてしまいました。
ここで、さきほど解放されたガチャから登場するブロマイド的なもの、思念が装備になることが判明。ブロマイドに属性がついており、戦場と属性を一致させることで戦闘が有利になることが分かります。だいぶ恋愛と戦闘のセットに慣れてきた脳がこのあたりでまた揺さぶられます。
ここまでで概ねチュートリアル終了となります。チュートリアルを終わらせたところでレベル7ぐらいになるのですが、次のシナリオを読むのにレベル21を要求されて「???」となっている状態です。
ここまで解放された要素が「レベル上げ用アイテムの収集」「スキルレベル上げアイテム収集」「男性たちとの好感度を稼ぎお話を進める」なので、スマホRPGでよく見る要素と恋愛ゲームでよく見る要素両方が存在している状態です。
この時点で願いことガチャも自由に回せるようになっているものの、思念は最高レアが星5、70連回すと最高レアが確定というどこかで見たようなガチャではあります。なお戦闘は先に書いたように基本的に3人の男性のうち誰かと組むことになるので、属性の組み合わせをうまく考えて編成しないといけないようです。
ここまでやってきて最初は異様な組み合わせに見えたSFアクションRPGと恋愛ゲームなのですが、意外とその要素は共存できるものではないだろうかと思えてきました。男女のキャラが出て来るスマホゲームで、主人公が男性の場合好意を見せてくるキャラクターが居るゲームは結構多く、その逆もまたしかりです。
ゲームによっては好意を寄せてくるキャラクターからバレンタインやホワイトデーにプレゼントがもらえたり、逆に自分からプレゼントを贈れたりする作品もあるわけで。それらの要素を一歩勧めて恋愛ゲームとしてシステム化しているだけなのだなと感じました。
アクションシーンが本格的なことで「女性向けにそういうアクションゲームを用意するのは難しいのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、実際世間を見てみると「原神」のようなアクションゲームを遊んでいたり、「ファイナルファンタジーXIV」で高難易度戦に挑む女性ゲーマーは少なくありません。
ただし、このゲームにも自動戦闘モードはついていますのでアクションが苦手な人向けの配慮はあると思いました。どれくらいの難易度が待ち構えているのかはまだ分かりませんが……。
なおこのゲームを開発しているのは、お着替えコーデRPGの「ミラクルニキ」や「シャイニングニキ」を作っているPapergamesという中国の会社です。同社はシリーズ最新作としてオープンワールドの「インフィニティニキ」も予定しており、発表当初は「オープンワールドで着せ替えゲームやるの!?」とも思いました。しかし「恋と深空」をプレイしていて、このぐらいの技術力があれば次はオープンワールドゲームを作ってみたい、となるのも分かる気はしました。
オープンワールド着せ替えゲームができるのなら、オープンワールドで恋愛ゲームも作れるのではないでしょうか。そういう形で恋愛ゲームが発展していくことに期待したいものです。
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