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【獣医師解説】猫にも“花粉症”がある? 猫飼いならば知っておきたいツライ症状や猫風邪との違いを解説(1/2 ページ)

猫の花粉症について、獣医師が解説します。

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 ペトコトメディアは獣医師やトリマーをはじめ、100人以上の専門家が執筆。病気・しつけなどの専門知識から、ドッグカフェ・宿などのレジャーまで、信頼できる情報を幅広く伝えています。

 今回はそんなペトコトメディアから「猫の花粉症」についてご紹介します。

著者:ペトコト編集部

ペトコト編集部

獣医師やトリマーをはじめ、100人以上の専門家が執筆・監修し、病気・しつけなどの専門知識から、ドッグカフェ・宿などのレジャーまで、信頼できる最新情報を幅広くお伝えします。ペットフードについてはこちら


 過ごしやすい気温に「のんびり愛猫と過ごしたい」と思う方も多いのではないでしょうか。しかし、花粉症の人にとってはつらい季節かもしれません。私たちにとってはくしゃみや鼻水、目のかゆみなどを引き起こす花粉症は身近なアレルギー症状ですが、猫も花粉症になるのでしょうか? 今回は猫の花粉症の対策から、症状や治療薬などについて、獣医師の佐藤が解説いたします。

猫の花粉症とは?

 花粉症とは花粉などのアレルゲンが体内に入り、それを排除しようとしてくしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状を引き起こす免疫反応のことをいいます。日本人はスギやヒノキの花粉にアレルギーを持っている方が多いといわれています。

猫も花粉症になる?

 猫も花粉症になります。春にスギやヒノキの花粉が、秋にブタクサの花粉が飛散シーズンを迎えますのでどの季節でも花粉症になる可能性があります。

花粉症になりやすい猫種・年齢

 花粉症になりやすい猫種や年齢はありませんが、比較的子猫よりも成猫のほうが花粉症になりやすいでしょう。というのも、花粉症は急になるものではなく、年々アレルゲン物質が体内に入り込み、蓄積されていくことで発症につながります。そのため、猫も成長するにつれ、アレルゲン物質が蓄積し、発症する可能性があります。

猫の花粉症の症状

 猫の花粉症は人間と同様の症状が発現します。くしゃみや鼻水だけでなく、目やにが出たり、皮膚に痒みが出たりするため、体をこするような行動がみられます。その場合、脱毛や皮膚の炎症につながる可能性があります。

 また、愛猫がくしゃみを連発していたら要注意です。くしゃみは猫の体力を奪ってしまうため、続くようであれば、早めに動物病院へ連れて行ってあげてください。また、猫の場合は猫風邪の原因となりうるウィルスが活性化し、症状が重症化することもあります。

猫風邪との見分け方

 猫風邪も花粉症と同様の症状が出ますが、猫風邪の場合は上記の症状に加え、発熱や結膜充血がみられ、食欲不振に陥ることが多いです。そのため元気消失や食欲不振がみられたときは猫風邪の可能性が高いでしょう。

猫の花粉症の検査・診断方法

 血液検査でのアレルギーチェックが可能です。しかし、血液検査でどの花粉(物質)のアレルギーかすぐに特定することは難しく、猫風邪や他の病気の可能性を1つひとつ排除しながら特定していくため、時間と費用がかかります。猫にも負担がかかることから、あまりおすすめはできません。

猫の花粉症の治療

 花粉が原因であれば、猫の花粉症の治療は対症療法が多いです。ステロイド剤や抗ヒスタミン剤(※)という薬を使い、現在出ている症状の緩和を行います。目をかくようなしぐさをしていた場合は目薬を処方されることもあります。

 あくまで対症療法のため、花粉症を完治させるわけではなく、現在出ている症状を和らげるための治療になります。しかし、基本的に発症してしまったアレルギーを完治することはできません。

※ヒスタミンの作用を抑制する薬品のこと。

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