「卒乳にはそれぞれの思いがこもってるんだな」 “隠れた節目”を祝うビールセットが好評受け商品化 仕掛け人に聞く反響(1/4 ページ)
卒乳に限らず、好みの節目をビールと卒業証書で祝えるセットが商品化。企画への思いをメーカーに聞きました。
子どもの「卒乳」や「イヤイヤ期卒業」といった出来事は、結婚や還暦ほどではないにしても、当事者にとって大きな節目。そんな“日常に隠れた節目”を祝う「隠れ節目祝いセット」を、クラフトビールメーカーのヤッホーブルーイングが3月8日に発売しました。
隠れ節目祝いセットは2690円で、同社の「よなよなエール」2本と、節目からの卒業証書が同梱されており、おなじみの「卒業証書の筒」風パッケージも用意されています。
ラインアップは、卒乳祝い用の「卒乳してビール飲めるねセット」と、イヤイヤ期の節目を祝う「イヤイヤ期卒業乾杯セット」、趣旨を自由に設定できる「あなただけの卒業乾杯セット」の3種類。卒業証書に名前や日付を書き込んで、学校の卒業のように家族で授与式を行い、育児など苦労した出来事の区切りを、よなよなエールで乾杯してお祝いできる趣向です。
このセットはもともと、ヤッホーブルーイングが2023年3月に実施したプレゼント企画の賞品(関連記事)。発想のきっかけは、同社が展開するクラフトビールのサブスクリプションサービスを、女性会員が妊娠を機にやむを得ず退会する事例があったことでした。
そういった利用者が一時的にビールから離れながらも、再び飲める日を楽しみにしていると知り、同社はメーカーとしてできることはないかと企画をスタート。こうしたビールと育児の関係性に鑑みて、「授乳」「イヤイヤ期」「寝かしつけ」「お弁当作り」「あなただけの〜(自由枠)」の、5種類の「卒業」をテーマにセットを開発しました。
抽選で5000人にプレゼントと募集したところ、2週間で約1万7000件の応募が来るなど、企画は大人気。同社が想定外の反響を受けて、特に応募の多かった「卒乳してビール飲めるねセット」を4000セット増産するほどでした。
最終的に応募数は約2万7000件に到達。「買ってでも欲しい」「友人に贈りたいのでいつか販売して欲しい」「卒乳はまだ先で応募できないが欲しい」との要望も多く、今回ついに隠れ節目祝いセットの商品化が決定。公式通販サイト「よなよなの里」本店と、楽天市場店、LINEギフト店にて販売中です。
編集部はヤッホーブルーイングと企画に携わったマーケティング会社ブルーパドルの佐藤ねじさんを取材し、企画の経緯など詳細を聞きました。
「授乳頑張って良かった、うれしい」――利用者の反響に応えて
―― きっかけは妊娠によるサブスクの退会があったことだそうですが、そのようなケースは多いのでしょうか
ヤッホーブルーイング 把握できる限りで10人ほどいらっしゃいました。解約理由の選択項目に設けているわけではなく、自由回答してくださったお客様の数になるため、実態としてはもっと多いと考えています。
―― 去年のプレゼント企画では約2万7000件の応募があったとのことですが、反響についてどう感じましたか
ヤッホーブルーイング 予想をはるかに超える反響に驚くとともに、とてもうれしく思っています。SNSやアンケートで「授乳頑張って良かった、うれしい」「妻と久々にゆっくり語り合った」などの声もいただき、隠れ節目祝いを始めて本当に良かったと感じました。
―― 去年の募集に寄せられたエピソードで、印象に残っているものは
佐藤さん 具体的な一エピソードというより、熱量の高い応募がものすごい量届きまして。こういうプレゼント企画で、こんな熱量で来たのが初めてで驚きました。想像よりずっと、卒乳にはそれぞれの思いがこもってるんだなーと。だから、1年だけで終わるのがもったいなかったので、発売が決まってすごくうれしかったです。
―― 商品化にあたって5種類から3種類に絞ったのはなぜでしょうか
ヤッホーブルーイング 今回商品化した3種類は、昨年のお申し込みの9割以上と、ほとんどを占めていたことと、特に発売を望むお声を多くいただいたからです。
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