人気ロックバンド「Mrs. GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)のミュージックビデオ(MV)に人種差別的な表現が含まれていたとして批判が集まり、動画が公開停止となった問題をめぐり、バンドのボーカル・ギターを務める大森元貴さんが声明を発表。「我々の配慮不足が何よりの原因」だったとして謝罪しました。
「表現することに対して誠実に、精進してまいりたいと存じます」
物議をかもしたのは、6月12日にYouTubeで公開された新曲「コロンブス」のMV。内容は西洋貴族風の衣装を身にまとったMrs. GREEN APPLEのメンバーが小島にたどり着き、島に住んでいた“原住民”のサルたちと交流をするというものでした。
MVにはメンバーが島の“原住民”であるサルを人力車の引き手として使役したり、サル相手に音楽や乗馬、天文学などの学問を教えたりするシーンが挟まれており、ネット上で植民地支配や西洋中心主義の肯定につながるとの指摘が続出していました。
問題を受け、所属事務所のユニバーサル ミュージックは13日、「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていたため、公開を停止することといたしました」と対応を伝え、「当社における公開前の確認が不十分であり、皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪していました。
その後、公式サイトで「Mrs. GREEN APPLE 『コロンブス』ミュージックビデオについて」と題した大森さん名義の文書が公開されました。
大森さんはMV制作にあたって「年代別の歴史上の人物」「類人猿」「ホームパーティー」「楽しげなMV」という主なキーワードを、初期構想として提案したと説明。
類人猿が登場することについては「差別的な表現に見えてしまう恐れがあるという懸念を当初から感じておりましたが、類人猿を人に見立てたなどの意図は全く無く、ただただ年代の異なる生命がホームパーティーをするというイメージをしていた」と意図を明かしました。
その上で「決して差別的な内容にしたい、悲惨な歴史を肯定するものにしたいという意図はありませんでしたが、上記のキーワードが意図と異なる形で線で繋がった時に何を連想させるのか、あらゆる可能性を指摘して別軸の案まで至らなかった我々の配慮不足が何よりの原因です」と振り返り、「この度は本当に申し訳ございませんでした。以後このようなことが無いよう、細心の注意を払い、表現することに対して誠実に、精進してまいりたいと存じます」と謝罪しています。
―大森さんのコメント全文―
「コロンブス」のMusic Videoを制作するにあたり、
・年代別の歴史上の人物
・類人猿
・ホームパーティー
・楽しげなMV
という主なキーワードを、初期構想として提案しました。
類人猿が登場することに関しては、差別的な表現に見えてしまう恐れがあるという懸念を当初から感じておりましたが、類人猿を人に見立てたなどの意図は全く無く、ただただ年代の異なる生命がホームパーティーをするというイメージをしておりました。
しかしながら、意図とは異なる伝わり方もするかもしれないと思い、スタッフと確認し合い、事前に特殊メイクのニュアンス、衣装、演じ方のフォロー、監修をしていたつもりではおりましたが、そもそもの大きな題材として不快な思いをされた方に深くお詫び申し上げます。
決して差別的な内容にしたい、悲惨な歴史を肯定するものにしたいという意図はありませんでしたが、上記のキーワードが意図と異なる形で線で繋がった時に何を連想させるのか、あらゆる可能性を指摘して別軸の案まで至らなかった我々の配慮不足が何よりの原因です。
「コロンブスの卵」というキーワードから制作に取り掛かり、前向きにワクワクできる映像にしたいという気持ちが、リスクへの配慮をあやふやにし、影響を及ぼしてしまったと認識しております。
こちらの意図する物語の展開としては、歴史的時間軸は存在せず、類人猿も人の祖先として描きたかった。そして時間の垣根を越えてホームパーティーをする。
これはあり得ない話であり、あくまでフィクションとしての映像作品であると。
ただ、ある事象を、歴史を彷彿とさせてしまうMVであったというご指摘を真摯に受け止め猛省しております。
この度は本当に申し訳ございませんでした。
以後このようなことが無いよう、細心の注意を払い、表現することに対して誠実に、精進してまいりたいと存じます。
Mrs. GREEN APPLE 大森元貴
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