「軟膏の用意に30分」←どうして? 薬剤師が明かす“意外な理由”が700万再生「こういう発信はマジで重要」(1/3 ページ)
「いつもありがとう!」という気持ちになる。
5年前や10年前……。少し前にインターネット上で話題になった投稿や動画を振り返って紹介する企画「昔のインターネット発掘!」。今回は、調剤薬局での軟膏の用意に時間がかかる理由を伝える動画を紹介します。2023年5月に投稿されたこの動画はこれまでに721万回以上再生され、19万件のいいねを集めています。
軟膏の混ぜ合わせで腱しょう炎になる人も
動画を投稿したのは、薬や健康に関する“タメになる情報”を薬剤師が楽しく発信するYouTubeチャンネル「薬剤師ナカショウ」(@sho_molth)。動画は「今から軟膏混ぜますので、お時間30分ほどいただきます」と言われた客が態度を悪くする寸劇から始まります。
軟膏を用意する手順の第一は消毒。軟膏を入れる容器と、混ぜ合わせに使う軟膏板やヘラをきちんと消毒します。
次に軟膏を測りとります。軟膏によっては硬いものもあり、その場合は正確に測りとるのに手間を要します。さらに、軟膏を混ぜ合わせる場合にはそれも同様に測りとります。
軟膏を混ぜ合わせる場合、均質に混ざるまでヘラを使って軟膏板でよく練ります。練っては集め、練っては集めを繰り返しますが、これは意外と力が必要な作業で、量が多いと腱しょう炎になる人もいるそうです。
軟膏がよく混ざったら容器に移します。ぎりぎりの分量まで入れるのはなかなか難しく、軟膏が複数あると時間がかかります。
容器の底を台に打ちつけて気泡を抜き、最後にヘラで軟膏の表面の見た目を整えたら完成です。こんなに大変なのか……。
動画は客から「おっそいな〜 薬とって出すだけでしょ〜」と言われた薬剤師が“かんべんして……”と言いたげな表情を見せる場面で終わりますが、軟膏の用意の手間を知るとそんな顔をしたくなるのもよく理解できます。
「すでに製薬会社で作られた物だと」「こういう発信はマジで重要」
軟膏を用意するために薬剤師がやっている作業を伝えるこの動画に、「蓋開けた時 とても綺麗だからすでに製薬会社で作られた物だと思ってました。まさか、一つ一つ薬剤師さんの手作業とは……知りませんでした」「こうしてその都度練り練りしてるの知ると今後は今より感謝して受け取ろうって気持ちになる」「大変な作業してたなんて薬剤師さんに感謝の言葉しか出ない」などの反応が寄せられています。
また、こうして薬剤師の仕事を発信することについて、「こういう発信はマジで重要だと思う」「全国の調剤薬局待合室で流すべき」などの声も上がりました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.