ゲーセンの一郭にある、故障中のプリントシール機をくぐると秘密の入口が……? ワクワクする仕掛けのノンアルコールバーが、X(Twitter)で話題です。
そのバーの名は「JANAI GAMES」。大阪は梅田のファッションビル「HEP FIVE」9階のどこかでひそかに営業しているといいます。
入店のヒントは公式Instagramに。伏せる意味はない程度に簡単ですが、ここでは数々の投稿をスクロールし、深くさかのぼってチェックすれば分かるとだけ記しておきます。
ヒントに従って隠し通路を通過したその先は、シックなムードの不思議なバー(要予約)。「JANAI Beer」「JANAI Wine」など、お酒“じゃない”メニューラインアップが来客を迎えます。
Xでは来客者の投稿がきっかけで注目を集め、「楽しい」「下戸でも安心」と広まりつつあるこのお店。実は公式サイトの隠しページを知らないと入れないバー「JANAI COFFEE」の第2弾(関連記事)で、そう聞くと凝った仕掛けも納得です。
企画を手がけるのは、「いい人すぎるよ展」や「やだなー展」などで知られるクリエイティブディレクターの明円卓(@sugurumyoen)さん(関連記事)。ねとらぼ編集部は同店の試みについて、着想のきっかけなど詳しい話を聞きました。
仕掛け人に聞く発想のきっかけ
―― JANAI GAMESのコンセプトを、あらためて教えてください
明円 コンセプトは禁酒法時代に流行した隠れ酒場「スピークイージー」です。お店がゲームセンター(HEP FIVEのバンダイナムコクロスストア)内にあり、入口をプリ機に偽装しているため、入店方法や入り口などの秘密を知らないと店内までたどり着けないようになっています。
―― 暗証番号がないと入れない仕組みは、「JANAI COFFEE」のスタイルを踏襲したのでしょうか
明円 その通りです。創業当初からJANAIブランドとして「JANAI ◯◯◯」という店舗名のフレームを使用し、スピークイージー業態のバーを展開していく想定でした。JANAI COFFEEはブランドの1号店、JANAI GAMESは2号店という立ち位置です。
―― 故障中のプリ機を入り口にするアイデアはどこから生まれたのでしょう
明円 いつもお店を作る時は「映画のような体験」を作りたいと考えています。ある日、プリクラを撮っているスタッフの姿を見て、カーテンの奥にいる人がそのままいなくなったらびっくりするなと思い、そこから着想しました。
―― どんなお客さんが来られますか。お客さんの反応はいかがでしょうか
明円 JANAI GAMES開業当初は、SNSでお店を見つけていただいた方が非常に多く、20代前半の方がメインでした。開業から1年ほどたち、現在は20代後半〜30代後半の方が多くいらっしゃっています。普段バーに行かない方からは「ドリンクを作っているところを見るのが楽しい」「社交場みたいな雰囲気で楽しい」、普段お酒を飲むかたからも「これならお酒なしでも良いよね」「次は飲めない友人と来たい」と、ポジティブなコメントをいただくことが多いです。
―― 「実はインスタの秘密を見つけている方は比較的少ない」と聞きましたが、バーがあることに気付かない方や暗証番号が分からずに入れない方もいらっしゃるのでしょうか
明円 店内に入れない方は、1日数組はいらっしゃいます。お電話やメールで問い合わせをいただくこともありますが、「我々から答えは教えない」と、コンセプトに準じたルールがあるので、「SNSで探してみてください」といった形で、お客様に秘密探しを楽しんでいただけるような案内をしています。
明円さんは秋ごろに、JANAIブランドの3号店を出店する予定とのこと。次はどのような仕掛けをしてくるのかが期待されます。
協力・画像提供:明円卓(@sugurumyoen)さん
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