印刷インキ、有機顔料などを手がける化学メーカーのDICは、同社が運営する「DIC川村記念美術館」を2025年1月下旬から休館すると発表しました。SNSでは「信じたくない」「悲しい」といった声が寄せられています。
移転か中止の助言
同美術館は1990年5月に千葉県佐倉市にオープン。DIC保有の384点を含め、754点の美術作品を所蔵し、地域への社会貢献活動の一環、また同社が経営ビジョンで掲げる「彩りと快適」を象徴する存在のひとつとして運営されています。約3万坪の庭園も特長です。
DICでは同美術館について、保有資産という観点から見た場合、特に資本効率という側面においては必ずしも有効活用されていないとして、位置付けを再検討すべき時期としています。
これを受けて、社外取締役で構成される「価値共創委員会」で美術館運営について審議。同委員会からDIC取締役会に、「現在の業績などを踏まえると、現状のまま美術館を維持、運営することは難しい」として、東京への移転を想定した「ダウンサイズ&リロケーション」と「美術館運営の中止」を2案を検討するよう助言があったといいます。
DICは助言を受けて、美術館運営効率化のため「ダウンサイズ&リロケーション」を具体的なオプションとして検討し、2024年12月までに結論付けると決定。運営中止の可能性も排除せず検討を行うとしています。
2024年内に今後の美術館運営について決定した後、速やかに決定内容を実行するため、2025年1月下旬から現美術館を休館すると同社は発表。具体的な日程は決まり次第告知すると述べています。
SNSでは「そのまま続投でお願いします」「心の底から悲しい」「本当にショック」「どうにか今の場所で存続してくれないものだろうか」などの声が寄せられています。
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