関西の老舗駅弁メーカー・淡路屋が、定番商品「ひっぱりだこ飯」の容器として使っている壺を用いたタコ漁に成功し、タコ壺の実用性を証明しました。
「4年連続の坊主が嘘のようです」と喜ぶ
淡路屋は1903年(明治36年)に創業した老舗駅弁屋。1998年に明石海峡大橋の開通記念として発売した、タコ壺に食材を詰め込んだ「ひっぱりだこ飯」が有名です。
このひっぱりだこ飯で使われている壺は、プラスチックなどの代替品ではなく、独自に焼き上げた正真正銘の壺。タコ漁で使われているタコ壺を再現したものです。
そんな駅弁用のタコ壺を使ったタコ漁に、淡路屋は2020年から毎年挑戦してきましたが、これまで4年連続で坊主(成果ナシ)という結果に終わっていました。
5度目の正直に中の人も大興奮
2024年8月17日に「今年もやるで」と、坊主続きでも諦めることを知らない淡路屋は、5回目の挑戦を発表。兵庫県漁連協力の下、海中に77個の壺を沈めました。
それから1週間ほど放置して、いよいよ迎えた引き上げの日。続々と海中から漁船に引き上げられていく壺……成果を確認してみると、なんと77個のうち16個の壺に小ぶりなマダコの姿が……! 5回目となる挑戦にして初めて漁に成功しました。おめでとう!
海中に沈めた壺は、さまざまな種類を用意していたのですが、その中でも「一番人気は金色!続いて海保と自衛隊!さすがプロ。さらには通常版や銀色、さかなクンやハローキティにも!」と、マダコが選んだ壺の種類も紹介しています。明石のタコは金色が好きなのか……!
5度目の正直となった今回の成果に、淡路屋は「ひっぱりだこ飯の壺は、小さいマダコの住処になり得ることが証明されました!」と、壺の実用性を証明できたことの喜びを伝えています。なお、タコ漁にはタコの引き上げ可否を決める規定サイズが設けられており、今回の漁では「小さい蛸はリリースするルール。それも含めれば20匹以上入ってました」とのことです。
明石ダコ保全活動の一環で実施
淡路屋が行ったタコ漁は、ブランド品として有名な明石ダコが不漁の傾向が続いていることを受けて、ひっぱりだこ飯の壺が「何か活躍出来ないものか…」と考え、保全活動の一環として関係各所と協力しながら行っているものです。
今回の漁で「実際に若いタコが住み着いた」という成果を得られたことで、今後の活動にも希望が見えますね。
淡路屋のタコ壺漁チャレンジの様子は、公式Xアカウントで報告されており、壺を海中に沈めた日から引き上げるまでの様子が詳細に語られています。
なお、一般人が無断で壺を沈める行為は「海洋汚染を取り締まる法律に抵触します」として注意を呼びかけており、「次年度以降は、角度を変えつつ、一層皆様に楽しんで頂く取り組みに発展させたいと考えています」と、今後の活動を応援してほしいとしています。
画像提供:淡路屋(@awajiya1682)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- タコの口からお酒が出てくる! 駅弁の淡路屋「ひっぱりだこの徳利」を発売 お猪口セットも用意
ゲットしたい!(追記あり) - ありそうで無かった 人気駅弁「ひっぱりだこ飯」の蓋、1月20日に発売 張りついたタコをつまみ上げるデザイン
かわいいデザイン。 - パトカーを模した白黒デザイン 淡路屋「ひっぱりだこ飯」が兵庫県警とコラボ 2022年9月15日から限定発売
掛紙は「飲酒運転」「歩行者妨害」「ながらスマホ」をしているタコを警察官が取り締まる3種のデザイン。 - あずき色のコンテナを再現した弁当箱にすき焼き! 淡路屋「JR貨物コンテナ弁当 神戸のすき焼き編」発売
1個1420円、2022年1月1日から販売開始。