「面白がる」仕事を育児にも
――当時4歳の息子さんが自宅内で走り回っていたときはどんな気持ちでしたか?
FREE×さん: 息子が走り回っていた場所が台所近くの通路だったので、もしその勢いで台所に入ってきたら危ないなぁという心配の気持ちが大きかったです。
――息子さんのために道路標示を作ろうとひらめいたきっかけは何ですか?
FREE×さん: 当時の息子はとても活発で、よく「コラ〜!」とか「走るな〜!」とか怒ってたんですね。でもなんだか普通だなぁと。普段は仕事で「面白味をふりかける」をテーマに活動しているのに、家では全然面白がれていないと思い、子育てに関してもいったん受け入れて面白がってみようと思いアイデアを考えました。
道路の「止マレ」って命令口調なのに何でみんな守ってるの? 「止マロ」の方がいいのになぁと以前からよく考えてました。ただ、道路標示は言葉ではなく記号としてみんな認識してるんだと気づきました。だったら4歳の息子も記号として認識して止まるんじゃないかと。それが制作のきっかけです。
――投稿がバズった際の心境について教えてください。リプライなどで寄せられた反応で、印象に残っているものはありますか?
FREE×さん: これまでもさまざまな投稿をしてきたなかで、初めて話題になる投稿だったので正直びっくりしました。「我が家でもマネしたい!」とコメントをもらうことが多く、使用したテープはニチバンさんと追記で投稿したら、ニチバンさんの公式アカウントからコメントとフォローもしていただきました。ご迷惑をおかけしないよう「床にテープの跡がついてしまうのでご注意ください!」と慌てて追記したのを覚えています(笑)。
――投稿後のエピソードがあればぜひ教えてください
FREE×さん: この投稿がきっかけで子育てや日常を面白がることをより意識するようになり、その後も「子供用の駐車禁止シート」や「結婚式でピン札が用意できなかった時の対処法」などが話題となり、各種メディアにも取り上げていただきました。
SNS上でも別のクリエイターさんとの交流が生まれ、その中で僕が以前から好きだったカナイガさん(@shiragaigarashi)からお声がけいただき、2023年9月には合同の作家展(ユーモレスク展)も開催することもできました。
現在は「面白がる」をテーマに「面白がるワークス」という研修も開催するようになり、(息子のために作った道路標示は)今となっては新たな出会いもできて自分の仕事内容も進化する原点となった投稿です。
ちなみに息子も今は9歳になりました。面白がることが大好きで、ちょっとでも家で気を抜いてると「なんか面白いことやらないの?」ってプレッシャーを与えてくれるので毎日が刺激的で楽しいです(笑)。
関連記事
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.