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鉄道の安全守る“保線員”はどんな仕事? レールを交換する深夜工事に密着 「大切なお仕事」「尊敬しかない!」(1/2 ページ)

1ミリの段差も出ないように作業する凄腕保線員たち。

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 鉄道会社の保線員が深夜にレール交換の作業に挑む様子をまとめた動画が、YouTubeで注目を集めています。まさに縁の下の力持ちといえる仕事ぶりに、驚く声や感謝する声が多く寄せられています。

鉄道の安心・安全に欠かせない大切な仕事

 動画を公開したのは、近畿日本鉄道(近鉄)の公式YouTubeチャンネル(@kintetsurailway)。近鉄で働く人たちの様子を紹介するシリーズが人気で、今回は線路の点検などを担う保線員の仕事に密着。大阪線名張駅構内上り線の大阪上本町起点、67キロ470メートル付近にあるレールを交換する作業の様子がまとめられています。

 作業は日付が変わる深夜0時からスタートするため、保線員たちは早い人で21時半ごろに起床して準備を始めます。0時から作業前ミーティングが行われ、作業の内容や場所などの情報を全員で確認しました。

 交換作業が始まると、まずは軌陸車搬入のAチームが出発。現場に到着すると、大きな軌陸車を線路に載せていきます。一方、現場作業のBチームは作業中の安全を確保するために、対象区間に電車が進入しないように線路閉鎖の手続きを行います。

 新しいレールの長さを測定し、レール締結装置を解体。その後、レールを切断していきます。切断機の使用は激しい火花が飛び散り危険を伴う作業です。

夜の保線作業密着
レール切断の際にしく飛び散る火花

 新しいレールの準備ができたら、古いレールを取り外して交換作業が始まります。この作業が精度と安全に最も気を使う瞬間だそうです。

夜の保線作業密着
作業員で息を合わせてレールを挿入

 新しいレールに継目板と締結装置を取り付ける作業では、レールが気温によって伸縮することを考慮して、レールの間隔をプロの目で見極める必要があります。経験が物を言う職人技ですね。

夜の保線作業密着
継目晩や締結装置を取り付けていく様子
夜の保線作業密着
レール踏面削正でも火花が飛び散る

 最後に交換したレールが他のレールと同じ高さになるように調整を加えます。段差があると乗客に衝撃が伝わるだけでなく、せっかく交換したレールが無駄に消耗してしまうため、ミリ単位での作業が求められるそうです。

 全工程を終えた時刻は深夜3時30分。作業後は落とし物がないかチェックし、送電と線路閉鎖解除の依頼を出します。そして早朝の5時になって始発電車が交換したレールを無事に通過するのを見届けます。

夜の保線作業密着
始発列車通過後に確認&調整する保線員

 電車が通過した後に、交換作業を行ったレールや周辺を再度チェックして作業終了。ホッとした表情を浮かべる保線員たちはスタッフルームに戻っていきました。

深夜に大変な作業をこなした保線員たちへの反響

 鉄道を支える保線員の仕事ぶりに、YouTubeのコメント欄には「大切なお仕事ですね!」「精密さが求められるお仕事です」「こんな緻密な現場合わせが夜間の屋外作業だなんて……尊敬しかない!」という声の他、「感謝の気持ちでこれからも乗車させて頂きます」「いつも、近畿日本鉄道を守って頂き、有難う御座います」といったコメントが寄せられています。

画像はYouTubeチャンネル「【公式】近畿日本鉄道チャンネル」より引用

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