「わんだふるぷりきゅあ!」の売り上げ好調を支える3つの要因と、その裏で見えてきた「子ども」「大人ファン」の共存問題:サラリーマン、プリキュアを語る(3/3 ページ)
「わんだふるぷりきゅあ!」の売り上げが好調です。その要因は何なのでしょうか。
大人向け展開の「弊害」とは
しかし、「大人向け」施策には弊害も生まれつつあります。
一部の大人プリキュアファンが「子どもたちとファミリー向け」の領域にまで踏み込み、ファミリーに迷惑を掛けてしまうトラブルが今まで以上にSNS上でも観察されるようになってきています。
もちろんトラブルを起こしてしまう大人は今に始まったことではなく、過去からずっとその存在は確認されています。
しかし、最近はそれが顕著に目立つようになってきているのも事実です。
プリキュアのイベントは、
(1)大人ファンが来場することを前提としたイベント(プリキュアライブや感謝祭など)
(2)規模の大きいプリキュアショーやイベント
(3)住宅展示場や商業施設などでの小規模なファミリー向けイベント
に大きく分かれています。
ファン層の拡大により、最近では大人ファンの一部が地方の小規模なファミリー向けイベントにも行くことが増え、そこで問題となる例も増えてきているようです。
もちろん、プリキュアのイベントを大人ファンが見ることに何ら問題はありません。ただ、大前提として「お子様、家族連れに迷惑を掛けない」ことが求められます。
最近ではプリキュアの「ファミリー向けイベント」では、「大人のみでの参加は配慮ください」との注意書きがされるようにもなってきています。
「プリキュア音楽&映像商品公式X」から引用
本イベントはファミリーイベントです。大人のみでの参加のお客様は、ファミリーやお子様が参加しやすいようにご配慮ください。
全国規模で開催されているプリキュアの大型キャラクターショー「わんだふるぷりきゅあ! ドリームステージ♪」では「大人のコスプレ禁止」に加え、「大人が奇声や大声を上げたり、お子様に話しかけてお子様が怖がるケース」が報告されていることが記載され、「大人の方は留意してほしい」旨の注意喚起がWebサイトに記載されています(これは2024年からではなく、自分が観測できる範囲では5年前(2019年)からありました)。
わんだふるぷりきゅあ! ドリームステージ
公演にご来場のお客様へお願いとご注意
本公演につきましてはコスプレをした状態の大人のお客様の、ご来館及びご観劇を禁止とさせて頂きます。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
大人のお客様で、奇声や大声を上げたり他のお子様に話しかけたりする事象があり、その結果お子様が怖がってしまうケースが報告されております。
皆様に楽しんでいただくために、特に大人のお客様におきましては、十分に御留意いただきますようお願い申し上げます。
ダンスレクチャータイム以外の撮影・録画・録音は一切禁止です。また、ダンスレクチャータイム中に写真撮影が可能なタイミングはMCからお伝えいたします。
なお、三脚類や自撮り棒などを使用しての撮影行為は禁止です。予めご了承願います。
「わんだふるぷりきゅあ! ドリームステージ♪」Webサイトから引用
例年開催される「プリキュアライブ」などの有料のイベントでは「親子席」が用意されたり、住宅展示場でのイベントなどでも「最前列にお子様席が用意」されることも多いのですが、全てのイベントで対応できているわけではありません。
また、2023年には非公式の着ぐるみで子どもに接触する行為があり、公式からXで注意喚起が出るといったこともありました。
お子さまに迷惑を掛けない
プリキュア20周年を機に、プリキュア公式側も今までは明言していなかった「大人層への展開」を公言し、商品ターゲット層の一つにしてきています。
それはターゲット拡大のためとても良いことで、事実売り上げも伸びているのですが、その弊害で一部の大人が「子どもたち」の領域にまで踏み込み迷惑を掛けてしまう事例が今まで以上に観察されるようになってきています。
もちろんルールやマナーを守っている大人ファンが大多数なのですが、ごく一部のルールやマナーを守らない大人のために、子どもたちが怖い思いをしてしまっては子どもたちに申し訳ないですし、ひいてはプリキュアというコンテンツの衰退につながってしまいます。
明文化された「ルール」を守るのは当然として、「マナー」に関しては個々人にゆだねられる部分も多く、大人ファンのモラルが試される機会もこの先さらに増えてくるものと思われます。
大人向けのグッズもあるからといっても、プリキュアのメインターゲットはお子さまと家族連れであることは変わりません。
プリキュアのイベントにおいては、大人ファンのお客さまは「お子さま、家族連れには絶対に迷惑を掛けない」という古(いにしえ)からの不文律を再度、心に留めておく必要がありますよね。
自戒を込めて。
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