永久に階段を降り続けるスリンキーを作る動画がYouTubeに投稿されました。スリンキーといえば、1940年代にアメリカで発売され、日本でもずっと人気のおもちゃ。これがずっと降り続けるんですか……?
スリンキーはどのくらい降り続けられるの?
この動画が投稿されたのはYouTubeチャンネル「Mark Rober」(@MarkRober)。Mark Roberさんは元NASAのエンジニアで、現在は科学を学べるおもちゃSTEMを毎月届ける「CrunchLabs」を創設。YouTubeでは、数多くの面白い科学実験動画を投稿しています。
今回作るのは「ずっと階段を降り続けるスリンキー」。子どものころ、Markさんはスリンキーが階段を何段降りられるのか何度も試してみましたが、いつも7段か8段が限界だったそう。エンジニアとなった今、永久に降り続けるスリンキーを実現させようと思い立ちました。
まず、試してみたのはトレッドミル。室内のランニングなどでよく使われるこのマシンを、ちょうど良い角度に傾けて固定し、スリンキーを置いてみました。しかし階段とは違い、着地点が傾斜しているためうまくいかず、スリンキーは3回目で動きを止めてしまいます。
次にエスカレーターで実験してみると、スリンキーはトレッドミルよりも長く降り続けることがわかりました。しかし、段と段の距離や階段が動くスピードを調節することができないため、こちらも途中で止まってしまいます。
「回る階段」を手作り
そこで、ついに「手回しの階段」を手作りすることにしました。まるで自転車のチェーンのような形に作られた階段を手回しクランクで回しで動かす、という仕組みです。
しかしスリンキーを置く(降りてくる)位置をどこに合わせるべきかという問題に突き当たり、3Dプリンターで“セルフ・センタリングコーン”を作りました。これを階段に置き、ここへスリンキーをはめ込むようにして置きます。
最後は手回しクランクをモーターに取り替え、自動で回るようにしてスイッチオン。48時間経過した時点で、スリンキーは20万8000段を降りるという結果に! 子ども時代の記録を軽々と塗り替えてしまいましたね。さらにはモーターを止めるとスリンキーは端っこのフックに引っ掛かりぶらさがるという仕掛け。終わりまでクールな装置です。
「子ども向け博物館に必要」「芸術作品」と9000万以上再生
この動画は記事執筆時点で9700万回以上再生され、530万件を超える高評価を獲得しています。コメント欄には「子ども向けの博物館に必要なものじゃないかな」「これはすばらしい。芸術作品であり、見た目ではわからない、シンプルなエンジニアリングの妙技」「クールでシンプルなアイディアを複雑なアイディアに昇華させてる。童心を取り戻した」「私の中の90年代の子どもが歓声をあげてる」など、この装置を絶賛する声が並びました。
YouTubeチャンネル「Mark Rober」(@MarkRober)では他にも「世界一伸びるチーズ!」「ライターを使ってテレビをつける!」「世界最長のドリンクヘルメット」など、好奇心をくすぐる科学実験の動画がたくさん投稿されています。
その他の実験動画を見る
画像はYouTubeチャンネル「Mark Rober」(@MarkRober)より引用
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