FSB533MHz、PCI Express対応の「Sonoma」新世代Centrinoがようやく正式発表CPU&チップセット

» 2005年01月19日 11時00分 公開
[ITmedia]

 インテルは1月19日、ノートPC向けCPU7モデルと新しいチップセットを正式に発表した。今回登場したCPU、チップセットとすでに発表されている無線LANモジュールを組み合わせたノートPC向け新技術はこれまで「Sonoma」という開発コード名で知られていたもの。

 この新技術を採用したノートPCが日本国内の大手PCメーカーから多数発表され、すでに出荷も始まっているが、それから遅れること2週間でようやくインテルから正式に発表されたことになる。

FSB533MHz対応Pentium Mとモバイル Intel 915ファミリー、IEEE 802.11a/b/g対応無線モジュールで構成される新世代Centrino

デスクトップ向けチップセット相当の性能を有する「モバイル Intel 915ファミリー」

 今回登場したチップセットは「モバイル Intel 915 Expressファミリー」と呼ばれるもの。2004年に行われたCOMPUTEX TAIPEI 2004などで「Alviso」という開発コード名で呼ばれていた「モバイル Intel 915ファミリー」のノースブリッジに「ICH6M」をサウスブリッジとして組み合わされる。

 モバイル Intel 915ファミリーは「Intel 915GM」「Intel 915GMS」「Intel 915PM」「Intel 910GML」の4モデルが用意。それぞれの主要なスペックは以下のとおりだ。

モデルFSB内蔵グラフィックスメモリ(このほかPC2700をサポート)
Intel 915GM533MHzIntel GMA 900DDR2-533/400(デュアルチャネル)
Intel 915GMS533MHzIntel GMA 900DDR2-400(シングルチャネル)
Intel 915PM533MHz−(PCI Express X16)DDR2-533/400(デュアルチャネル)
Intel 910GML400MHzIntel GMA 900DDR2-400(デュアルチャネル)

 モバイル Intel 915ファミリーのスペックは、FSB 533MHzに対応し、PCI Express、デュアルメモリバス、DDR2-533MHzのサポートなど、デスクトップ向けチップセットIntel 915ファミリーにほぼ相当する。このうち、Intel 910GMLはCeleron M対応のチップセットになる。

 チップセットに内蔵されたグラフィックスコアもデスクトップ向けチップセットに組み込まれた「Intel GMA 900」と同じ構造。Direct X 9にハードウェアで対応するが、インテルの説明では、コアクロックがデスクトップ向けチップセットよりも低めに設定され、負荷にあわせてクロックが変化するという。コアクロックの最大値はIntel 915GMで200MHz、Intel 915GMSとIntel 910GMLで160MHz。

 FSB 533MHz対応の統合型チップセットとして、Intel 915GMとIntel 915GMSが登場するが、Intel 915GMSは小型パッケージを採用。ほかのチップセットのダイサイズが37.5×40ミリであるのに対し、Intel 915 GMSは27×27ミリとなっている。

 小型化のためにサポートするメモリはDDR2-400までで、メモリバスもシングルチャネルとなっている。ただし、チップセット内に組み込まれているメモリコントローラは、ほかのモバイルIntel 915ファミリーと同じもの。

 サウスブリッジとして組み合わされるICH 6Mのスペックはデスクトップ向けサウスブリッジのICH6とほぼ同じ。Serial ATAの電力管理などパワーマネジメント関連機能が追加されている。

 なお、チップセット単体の出荷価格は明らかにされていないが、Pentium M 770とIntel 915GM、Intel PRO/Wireless 2915ABGを組み合わせた場合の1000個出荷時で7万4360円、Pentium M 770とIntel 915PM、Intel PRO/Wireless 2915ABGを組み合わせた場合で同じく7万3940円となる。

FSB533MHzに対応した新世代Pentium M

 CPUで発表されたのはFSB533MHzに対応した「Pentium M 770」「Pentium M 760」「Pentium M 750」「Pentium M 740」「Pentium M 730」の6モデルと、省電力バージョンの「低電圧版 Pentium M 758」「超低電圧版 Pentium M 753」の2モデル。それぞれの主な仕様は次のとおり

モデル動作クロックFSBTDP
Pentium M 7702.13GHz(バッテリーモード800MHz)533MHz27ワット
Pentium M 7602GHz(バッテリーモード800MHz)533MHz27ワット
Pentium M 7501.86GHz(バッテリーモード800MHz)533MHz27ワット
Pentium M 7401.73GHz(バッテリーモード800MHz)533MHz27ワット
Pentium M 7301.60GHz(バッテリーモード800MHz)533MHz27ワット
低電圧版Pentium M 7581.50GHz(バッテリーモード600MHz)400MHz10ワット
超低電圧版Pentium M 7531.20GHz(バッテリーモード600MHz)400MHz5ワット

モデル動作電圧価格(1000個出荷時)
Pentium M 7701.260〜1.372ボルト(バッテリーモード0.988ボルト)6万7190円
Pentium M 7601.260〜1.356ボルト(バッテリーモード0.988ボルト)4万4620円
Pentium M 7501.260〜1.356ボルト(バッテリーモード0.988ボルト)3万1010円
Pentium M 7401.260〜1.356ボルト(バッテリーモード0.988ボルト)2万5420円
Pentium M 7301.260〜1.356ボルト(バッテリーモード0.988ボルト)2万2040円
低電圧版Pentium M 7581.116ボルト(バッテリーモード0.988ボルト)2万9960円
超低電圧版Pentium M 7530.940ボルト(バッテリーモード0.812ボルト)2万7630円

 構造は従来のPentium Mで採用されているDothanコアで90ナノプロセスルールにL2キャッシュ容量が2Mバイト。Windows XP SP2と組み合わせることでセキュリティ機能が有効になるエグゼキュート・ディスエーブル・ビット機能がサポートされた。

Dothanコアのダイ内部

 また、同日インテルからはCeleron Mの新製品「Celeron M 370」と「超低電圧版 Celeron M 373」も発表された。主なスペックは以下のとおり。

モデル動作クロックFSB動作電圧TDP価格(1000個出荷時)
Celeron M 3701.50GHz400MHz1.260ボルト21ワット1万4130円
超低電圧版Celeron M 3731GHz400MHz0.940ボルト5ワット1万6980円

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