第3回 「Google Glass」は何に使えるか:“ウェアラブル”の今(1/2 ページ)
ウェアラブルデバイスというと、まず思い浮かぶのは腕に付けるタイプだが、もう1つ重要視されているのがメガネ型のデバイス。その最も進んだ形といえるのが「Google Glass」だ。
「Google Glass」は、ウェアラブルデバイス時代を告げる象徴的なデバイスとして、Googleが披露したメガネ型のデバイスだ。
2013年2月からエントリーの受け付けを始め、当初は非常に限られた人のみに、しかも開発者版として、1500ドル(約17万円)という高い価格で販売された。現在は、米国において、Googleの有料サービスに登録しているユーザーであれば、同じ価格で購入できる。
ウェアラブルデバイスの「パターン」を示したGoogle Glass
Google Glassそのものは、現在もまだエクスプローラープログラムの最中であり、一般向けの販売や、開発者版の価格よりも安く提供するという方針はまだ実現されていない。しかし、ウェアラブルデバイスとはなにか、その機能のパターンはどういうものか、という点を定義し、手に取ることが出来るようにした点で、非常に意味があるデバイスだ。
Google Glassは、メガネの右側のフレームに、バッテリーと、デュアルコアプロセッサと16Gバイトのストレージ領域を備えた本体、カメラ、そしてプロジェクターが装着され、右目の前のプリズムで、640×480ピクセルの解像度を持つプロジェクターの光を目に届ける仕組みだ。本体部分は前後のスワイプとタップに対応し、1本指・2本指を認識するタッチセンサーとなっているほか、音声での入力に対応する。
BluetoothとWi-Fiを搭載しており、スマートフォンと組み合わせて使用する。ネットワークやGPSの位置情報は、スマートフォンと接続したAndroidデバイスやiOSデバイス(iOSについては機能制限あり)から取得する。AndroidとiOS向けにGlassアプリが用意されており、これをインストールしてGlassそのものの操作を補う。
また、Glasswareと呼ばれるアプリを導入することができる。Google系のサービスに加えて、TwitterやFacebook、Evernoteといった、スマートフォンやタブレットと同じアプリがすでに開発されており、画面を分割せず1画面1つの情報を表示するカードのようなインタフェースをめくって情報を見るトーンが用意された。
前述の簡単なタッチ操作と音声入力での操作や、スマートフォンからネットワーク接続を得る点、アプリの追加、1画面に1つの情報を表示するといった、Google Glassを実際に利用する仕組みは、現在のウェアラブルデバイスの1つのパターンとなっている。
例えば、本連載で前回触れたApple Watchも、iPhoneと組み合わせて使用するのが前提だ。タッチ操作とデジタルクラウンによる簡単なインタフェースを音声入力と組み合わせる。また、アプリを追加したり、ネットワークやGPS情報をスマートフォンから取得する点も共通している。
Google Glassの購入体験
筆者が米国でGoogle Glassを使い始めたのは、2013年11月、ちょうど1年前のことだ。サンフランシスコにはGoogle Glassを扱うラウンジが用意され、予約していき、カウンターで名前を告げると、ふかふかのソファに案内されて、ビールやソーダなどの飲み物が出される。
ほどなく担当社が呼びに来てくれて、コンクリート打ちっ放し、タイルやカーペットをはがしたような床に、鏡とChromebookが備え付けられたApple Storeにありそうなテーブルがいくつも並んだ空間で、1to1で接客を受けた。顔へのフィッティングに加えて、初期設定、そして簡単な操作方法の確認が行われる。
確かに1500ドルという価格を考えれば、こうした接客もやった方がいい、という判断だろうか。たとえ開発者向けだとしても、Google Glassを正しく、またクールに使ってほしい、という意味合いもあったのかもしれない。
Apple Watchの価格は、発表会では349ドルからとしていたが、ステンレスモデルは400〜500ドル、18金のモデルは4000ドル〜5000ドルになるという報道もある。Google Glassはラウンジを用意したが、おそらくAppleはApple Storeで、こうした接客を強化することになるかもしれない。
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