16キロダイエットした経験をもとに、リバウンドを最小限に抑えるための食事内容の記録方法、食べ過ぎ防止方法、早食い防止方法など、食事に関する独自の対策をご紹介してまいりました。今回は食欲に関する切り口で、普段意識していることをご紹介します。
今日のポイントは
「余計なものを食べないようにするためには、早く寝る」
です。
夜更かしの悪循環
夜更かしするほどお腹が空いて、何か食べたくなる経験はみなさんおありかと思います。ある知人男性は、早く寝るのはもったいないといって、特に理由もなく深夜まで起きていたそうです。やがて小腹が空くので何か食べてしまう。結果メタボの診断を受けてしまったそうです。心臓疾患で救急車で運ばれたこともあるというので、聞いてるほうも気が気ではありません。
でも、気持ちは分かります。遅くまで起きていると次第に口寂しくなってきて、やがて本格的に空腹感に襲われて何か食べてしまいますね。しかも、そういうときに限ってチョコレートやアイスクリームなど甘いものや、ガツンと食べた気がするものが欲しくなります。
仮にそこで我慢したとしても、今度はお腹が空いて眠れない。結局何か食べてから寝てしまいます。ときには満腹感に浸りつつすぐ横になってしまうことも。そして目が覚めると、まだお腹空いてないか、胃もたれで朝ご飯は食べない。調子が上がってきたお昼から食べはじめ、夕食に向けて食べる量が増え、そのまま起き続けて再び深夜に食べる。確かにあの頃そんな生活でした。
睡眠が不足するだけで太りやすい体に!
実は「睡眠時間が短くなると肥満率が高まる」ということが国際的な多くの学術論文で発表されています。この現象のポイントは、「睡眠時間」と、食欲抑制ホルモン「レプチン」、食欲冗進ホルモン「グレリン」の3つ。
「レプチン」は、食欲と代謝を調整するホルモンで、食後20〜30分で脂肪細胞から分泌され、胃の物理的な刺激とともに満腹感のもとになります。脂肪量を一定に保つうえで、もうそろそろいいんじゃないというシグナルとなるわけです。このレプチンの分泌が低下すると、食欲が止まらないということに。
「グレリン」は、胃から分泌されるホルモンです。成長ホルモンの分泌を刺激したり、食欲を増進させ、筋肉増強や体重増加をもたらします。スタンフォード大学医学部の疫学調査では、睡眠時間5時間のグループは、8時間のグループに比べて血中グレリンが14.9%増加し、血中レプチンが15.5%減少するという結果が報告されているそうです。
また、コロンビア大学の研究グループによるBMI(BodyMass Index)と睡眠時間との関係の調査結果では、平均睡眠時間が4時間以下の人は、7〜9時間寝ている人に比べて、肥満になる確率が73%も高くなると報告されているそうです。5時間の場合は50%、6時間では23%だそうです。
夜更かしと睡眠不足がもたらす悪影響をまとめるとこんな感じです。
- 寝不足になると、それだけで太りやすいホルモンバランスになる
- 食べてすぐ寝ると、その分のエネルギーは単純に脂肪として蓄えられる
- 寝不足の状態では日中の活動量は低下するため、エネルギーは消費しにくくなる
- 夜間に向けて摂取カロリーが増えていくが、日中に比べて活動量は多くないため、エネルギーは蓄積方向へ
ということで、健康管理上食欲をコントロールしたい人にとって睡眠不足は大敵なのです。眠くてもうろうとしながらがんばっても能率は上がらず、食欲と体脂肪だけが増えるなら、さっさと寝て早起きしてからがんばるほうがよさそうです。実際私は睡眠時間5時間グループなので、意識して「とりあえず寝る!」をスローガンにしています。
とはいっても、自分の意志だけではままならないのも現実。ライフスタイルは千差万別なので、睡眠時間はできるだけ確保する、寝る直前の食事はできるだけ控えるようにする、の2点を考慮して工夫してみてください。残業があるときは、早めに炭水化物を食べておき、帰宅後の食事は軽く済むようにするといいそうです。食事は寝る2時間前までに済ませられると、睡眠への悪影響も避けられます。
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