自転車乗りの祭典「サイクルモード 2014」で見かけたモノたち:自転車はガジェットだ!
11月7日〜9日に幕張メッセにて開催されていた国内最大級の自転車展示会「サイクルモード インターナショナル2014」で見かけた各種アイテムをレポートします。
2014年11月7日〜9日に千葉県にある幕張メッセで行われた国内最大級の自転車展示イベント「サイクルモード インターナショナル2014」に足を運んでみた。今回で10回目という節目の展示会なのだが、筆者が足を運ぶのは今回が初めて。そりゃあそうだ。存在知らなかったもん。
と、言いつつもIT系の展示会(ワイヤレスジャパンやシーテックジャパン)はよく足を運んでいるため、展示会そのものには抵抗がない。今回は国内最大級と言われる自転車展示会の会場で見かけた「ヘルスケア」的なアイテムを紹介していこう。
多彩なサイクルコンピューター
スポーツ自転車に乗っていると、ついつい「現在の速度はどうなのかな」「どれぐらいの距離を走ったのかな」ということが気になる。いわゆる、ただ乗っているだけではなくデータとして認識したい、残しておきたいという欲求が出てくるのだ。
最近ではiPhoneなどのスマートフォンに搭載されているGPS機能を利用して、サイクルコンピューターとして使うことも増えたが、バッテリー消費の関連でどうしても専用機器がメインとなるものだ。
今回の会場では、国内最大手の「キャットアイ」や、高級サイクルコンピューターの「ガーミン」が多くのサイクルコンピューターを展示していた。
その中でも目をひいたのは、「キャットアイ」の「ストラーダスマート CC-RD500B」である。これはスマートフォンとの連携を前提に設計されており、Bluetooth 4.0 LE(Bluetooth Smart)に対応し、各種センサーの情報をくみ取っていったんiPhoneなどのスマートフォンで受け取り、その結果をサイクルコンピューター画面上に表示させるという、まさにスマートフォンが普及した今だからこそのアイテムとなっている(ちなみに、筆者も愛用している)。
また、「ガーミン」でも最新モデルとなる「Edge 1000J」を展示していた。こちらはナビ機能の強化に加え、マニアでもにんまりするような走行データの解析や、Bluetoothを使ったスマートフォンとの連携、またリアルタイムに走行データをサイト上に表示する機能がある。その分価格も高め(実売5万円〜6万円以上)なのだが、本格的なスポーツ自転車愛好家には良さそうだ。
固定ローラーとスマートフォン(タブレット)は相性が良い!?
スポーツ自転車。主にロードバイクやクロスバイクに乗っていると、そのうち自宅に固定ローラーなどのローラー練習台を置きたくなってくる(らしい)。
これは、雨や雪など天候の関係で自転車に乗れない日に、自宅に居ながら自転車トレーニングができるというものなのだが、絶望的につまらない。
ストイックに自転車トレーニングを行いたい人には3本ローラーというアイテムもあるが、そうではないヘルスケアユーザーには、もし買ったとしても固定ローラー(後輪を固定して自宅でフィットネスをする)が良さそうだ。自宅にて適度に汗をかき、脂肪を燃焼させることができる。
しかしながら、この固定ローラーと呼ばれるものは、仮に30分行おうとしても3分で飽きる。そのため、各メーカーとも飽きさせない工夫を提示してきた。
その大半が、スマートフォンやタブレットとの連携である。筆者が気になったのは「ミノウラ」というメーカーの「LiveTraining」というアプリ。Google MAP上を擬似的にサイクリングできるというもので、目標を立ててフィットネスをするのに良さそうだ。また、いくつかのメーカーはスマートフォンやタブレットと連携させた固定ローラーを展示していた。
アクションカムもスマートフォン連携がキモに
さて、いくつかのIT系連携ができるアイテムを紹介したが、アクションカムも忘れてはいけない。
自転車に乗っていると、その走行を録画したくなってくる(らしい)。筆者も安価なアクションカムを持っているが、データはmicroSDを使っているほか、どのように映っているかは勘で行っている。そう、アクションカムの多くは液晶ディスプレイを持たないため、どのような画角で映っているのかは録画データをみないと分かりませんよという状態である。
そこで最近の流行りが、Wi-Fiでスマートフォンと接続し、どのような映りになっているのか分かるアクションカムである。
今回会場に出展していたのは自転車用品最大手の「シマノ」……日本では釣具のイメージだが、世界では自転車のシマノと名が通っている。また、「ソニー」もアクションカムに参入している。
その両メーカーが、スマートフォンとの連携を掲げているのだ。どちらも画質面では非常に美しいものだが、スマートフォン連携で一歩秀でているのは「ソニー」。出展ブースでもXperia Tabと連携させ、アクションカム「HDR-AS100V」で見たものをそのままライブビューとしてタブレットに表示させるというデモを行っていた。
また、その両モデルとも連続撮影時間がバッテリーの関係上おおよそ2時間ということだが、(防水機能こそなくなるが)スマートフォン用モバイルバッテリーのmicroUSBケーブルを差し込むことで給電しながら撮影することが可能となっている。ここもある意味スマートフォンが普及した恩恵と言えるだろう。
スポーツ自転車はこれからスマートフォンやタブレットが入ってくる。今回の展示会ではそう思った。まだまだ主流はアナログで、どちらかと言うと、カラフルなパーツに買えましょう。より精度の高いパーツがいいですよ。ということで、モバイル機器が入る余地としては、前述の「サイクルコンピューター」「固定ローラー」「カメラ」あたりである。
また、マニアックなものではパイオニアが出しているパワーメーターなどもあるが、とてもライトユーザーが手を出せるような代物ではない(そもそも必要ない)。
しかしながら、これからのスマートフォンやタブレット、ウェアラブル端末では、必ずヘルスケアが重要になってくるだろう。事実、iPhoneもiOS 8以降には「ヘルスケア」アプリが追加されている。
スポーツ自転車界にはITガジェットが好きなユーザーが少ないかと思いきや、毎年iPhoneを買い換えるなど、絶対ガジェット好きだよねというユーザーが多いのも特徴のひとつである。
そう、スポーツ自転車はガジェットなのだから。
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