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第12回 現行モデルは打ち止めとなる「Google Glass」 メガネ型デバイスの今後は?“ウェアラブル”の今(2/2 ページ)

ウェアラブルデバイスのある生活のさまざまな利点や問題点を予見させてくれたデバイス「Google Glass」のエクスプローラープログラムが終了する。Google Glassは、“実験”から次のステージへと移行する。

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ウェアラブル全般の課題

 Google Glassはウェアラブル全般の課題をそのまま、最も大きく受けてしまった、と指摘することもできる。

 それは「必然性」だ。

 新しいテクノロジーは、誰かが必然性を感じて使ったり、これに対応するソフトウェアやライフスタイルを作りだして普及し始める。ウェアラブルデバイスは、新しすぎるせいで、この必然性を作り出せずにいるのが現状と言える。

 ウェアラブルがスポーツトラッキングやアクティビティトラッキングと呼ばれる市場から立ち上がったのも、これに必然性を感じている人々がいたからであって、必ずしもウェアラブルデバイス市場の必須条件とは言えない。

 Apple Watchは、心拍計まで備え、スポーツトラッキング機能を備えている。この製品が試すのは、スポーツ計測以外の「必然性」となる。

 そのアプローチは、スマートフォンに絶え間なく届く「通知」のスマート化であり、スマートフォンを握りしめなくても、ある程度の通知とこれへのリアクションが行えるようになれば、新たな必然性を切り開くことができるかもしれない。

 なお、Google Glassは新たな体制で、2015年も新モデルを作ることを予定しているそうだ。新たな“監督”となるNestは、人々のライフスタイルを学習するサーモスタットを作りだした。

Google Glass
Google Glassが購入できるサンフランシスコのラウンジ

 旧来のサーモスタットよりも2割〜3割ほど、電気代を節約できるという。確かに、筆者の家でも、カリフォルニアの冬場は暖房のおかげで、電気代が普段の3倍近くになっているが、明らかに賢くない温度管理の結果だと感じている。

 Nestのように、データや学習といったスマートなセンサーらしい振る舞いを、人々の生活の中での問題解決に生かす、必然性のあるテクノロジーとして、Google Glassが蘇ることを、1ユーザーとして、またウェアラブルテクノロジーの観察者として、見守りたい。

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