「VOCALOID 東北ずん子」発売直前! “お父さん”たちにその歩みを聞いてみた(1/2 ページ)

東北地方を応援する版権フリーのご当地キャラ「東北ずん子」。その誕生やボーカロイド開発秘話など、生みの親にいろいろ聞いてみました。

» 2014年06月03日 09時00分 公開
[haruYasy.,ねとらぼ]

東北のシンデレラ・東北ずん子の歩み

 東北地方を応援するという重大な使命を与えられ、2011年10月に登場した版権フリーのご当地キャラクター「東北ずん子」

 ずん子ちゃんと仲間たちによる会話形式のTwitter小説、日本中を冒険する横スクロールのスマホ向けアクションゲーム、読み上げソフト「VOICEROID+」への対応など、さまざまなコンテンツを公開してきた「東北ずん子」がいよいよ6月5日にボーカロイドソフトとして新しい一歩を踏み出します

 そこで今回は「東北ずん子」にとって親のような存在にあたるSSS合同会社の小田恭央さん、イラスト担当の江戸村ににこさん、Twitter小説担当のさとうとしおさんの3人に、デビューした当時の思い出や「VOCALOID3 東北ずん子」、各コンテンツの裏話などをたっぷりと聞かせていただきました。

東北ずん子、17歳。花も恥じらう高校2年生の女の子! 趣味はずんだ餅づくり

なぜ「ずんだ餅」?

―― 「東北ずん子」が登場したのは2011年の秋でしたね。

画像 小田

ずん子ちゃんのプロジェクトが始まったのは2011年。ちょうど東北の大地震があった年ですね。


―― あの地震でプロジェクトに影響は出ませんでしたか?

画像 小田

影響というか。もともとは地方キャラクターとして作ろうとしていたんです。でも、あの地震があってみんなが暗くなっちゃっているのを見て、何か応援できるようなことができたらいいなと。


―― だから東北応援キャラクターなんですね。

画像 小田

ずん子ちゃんは基本的に版権フリーなんですが、商業利用に関しても東北6県に本籍をおいている企業さんであれば自由にしていただいて良いですよっていうのはそこですね。


―― ずん子ちゃんのデザインって最初から今のような感じだったんですか?

画像 小田

「東北ずん子」のデザインは「ずんだ餅」がモチーフになっているんですが、初期はもっと緑色が多かったですね。


画像 江戸村

Googleの画像検索で「ずんだ餅」の画像を出しておいて、それを眺めなら描きましたからね。すごくおなかがすきましたけど。


江戸村先生がセルフ飯テロで自爆しながら描いた初期デザイン

―― ずんだカラーの主張が激しい! でも正式版と比べてデザインはあまり変わっていないんですね。

画像 江戸村

ずん子さんのデザインはそんなに修正がきた覚えがないです。


画像 小田

デザインで苦労したのは四国(ずん子の友達・四国めたん)くらいじゃないですかね。


画像 江戸村

そうですね。四国は……全書き直しでしたね。


ツインドリルヘアーの四国めたん(自称・漆黒のめたん)ちゃん

―― ちなみになぜ「ずんだ餅」だったんですか?

画像 小田

名産品というのもあるんですが、「ずんだ餅」を食べる地域が東北の大地震で被災した地域と重なっていることも関係しています。


―― 東北を応援するキャラクターですものね。

画像 小田

ちなみにずん子ちゃんの本名は「東北じゅん子」といって、それが東北なまりで「東北ずん子」と呼ばれているんですよ。


ずん子、準優勝を佳作だと思い込む

―― ずん子ちゃんがデビューしてから思い出に残っていることを聞かせてください。

画像 小田

ずん子ちゃんが「Creative Market Tokyo」(経産省・関東経済産業局のクリエイティブ産業振興プロジェクト)で審査員特別賞を取ったことですね。ずっと佳作を取ったんだと思っていて、1年後くらいに準優勝クラスの賞だと分かって驚きましたw


―― 1年も気づかなかったことにびっくりデス。

画像 小田

優勝は絶対ムリだけど、佳作はたぶん取れるからって言って応募したんですよ。実際は佳作どころじゃなかったんですがw


―― 佳作は取れるって言い切れたのはすごいですね。

画像 小田

優勝は絶対にムリだと思ったんです。いつも動画を使った作品が優勝しているので。でも佳作はイケるな……という、特に根拠のない自信がありましたね。


Twitter小説というフォーマットの苦労

―― ずん子ちゃんと言えばTwitterを使った活動も盛んですよね。今も続いているTwitter小説は書籍化されましたし。

画像 さとう

ぼくがプロジェクトに参加したのは2012年の5月ごろなんですが、参加するなりTwitter小説の最初の公開予定日が6月の中旬くらいだと言われましたね。


―― 小説を始めるにあたって参考にしたものってありますか?

画像 さとう

最初の段階で「2chのSS(ショートストーリー)みたいな感じの会話形式がいいよね」ってことは決まっていました。


画像 小田

それを「Twitterでやったら面白いんじゃない?」ってことで、今のTwitter小説のスタイルができました。でも更新作業がねぇ……めんどくさい(きっぱり)。


―― そんなにハッキリと言っていいんですか!w

画像 小田

実際に始めてみると複数のTwitterアカウントを使っているので、いろいろと大変なんですよ。


画像 さとう

今はもうエクセルを使ったツールでやっていますけどね。


―― どんなツールですか?

画像 さとう

エクセルに必要なものを入力したら自動でTwitterに投稿してくれます。


―― そんなことをポロリしちゃっていいのですか?

画像 さとう

初期から読んでくださっている人は気づいているようですね。投稿スピードが変わったってTwitterで言われていました。


―― 確かに投稿時間が……。ほかに苦労したことと言えばなんですか?

画像 さとう

最初のころはセリフの修正をたくさん入れられましたね。


画像 小田

ずん子ちゃんはこんなことを言わないだろう、と。


画像 さとう

あと「間」が作れないのもつらいんですよね。


―― Twitter小説って大変なんですね……書籍化されたときはどうでした?

画像 さとう

発売されたという実感はまだありませんね。


―― 発売されてからもう半年も経っているのに!?

画像 さとう

書籍が出たときに本屋さんに並んでいるのをみたら実感するよって言われたんですが、ぼくはAmazonで買い物をするタイプの人間なので……。あっ、なのでAmazonレビューは読みました。


Twitter小説を書籍化した「東北ずん子 『むちむち』じゃありません! 『もちもち』です!」

―― 書籍化で苦労したところってありましたか?

画像 さとう

基本的にTwitter上の会話で成立させているものから書籍という読み物に仕上げるのは大変でした。ほとんど書きなおしましたよ。


―― 続編が出たときも大変でしょうね…。 あれ? 続編って出ますよね?

画像 さとう

ど、どど、どうなんでしょうね(チラッ)


画像 小田

たくさん売れたら出ますよ! きっと!


ならばさりげなく宣伝を……ということで筆者独断のステルスしないマーケティング! 江戸村ににこさんのかわいいイラストも堪能できる東北ずん子ちゃんの小説「東北ずん子 『むちむち』じゃありません! 『もちもち』です!」が好評販売中です! お値段、たったの1080円です!


       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/18/news145.jpg “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  3. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  5. /nl/articles/2412/17/news197.jpg 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  6. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  7. /nl/articles/2412/18/news059.jpg 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開【大谷翔平激動の2024年 「妻の登場」話題呼ぶ】
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2411/25/news189.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  10. /nl/articles/2412/18/news056.jpg 日本人ならなぜか読めちゃう“四角形”に脳がバグりそう…… 「なんで読めるん?」と1000万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」