署名、公開質問状、調査、そしてオリジナル声優復帰へ “映画版の声優が芸能人問題”を乗り越えた「シンプソンズファンクラブ」12年間の記録:連載「オタクの幸せ」(1/2 ページ)
【完全版前編】互いの顔も知らず、映画業界への伝手もなかったファンがなぜ奇跡を起こせたのか。
世界70か国以上で愛されているコメディーアニメ「ザ・シンプソンズ」。アメリカのごく一般的な中流家庭・シンプソン一家の生活をブラックユーモアと風刺たっぷりに描いた本作ですが、日本ではサントリー「C.C.レモン」「ミスタードーナツ」のCMなどで目にしたことのある人も多いのではないでしょうか。
そんな「ザ・シンプソンズ」を愛し続け、映画版に芸能人声優が起用された際には配給会社をも動かし、オリジナル声優の復帰に一役買ったファンがいます。作品を応援し続け、“「ザ・シンプソンズ」のファンらしさ”を追求する「シンプソンズファンクラブ」のメンバーの素顔に迫ります。
「シンプソンズファンクラブ」とは
アメリカアニメ史上最長寿番組として知られる作品「ザ・シンプソンズ」は、アメリカのアニメーション製作者、マット・グレイニングによって創作された物語です。
アメリカにある架空の街「スプリングフィールド」を舞台に、主人公で原子力発電所の安全検査官として働く父・ホーマー、専業主婦として一家を支えるマージ、好奇心たっぷりでいたずら好きな長男・バート、秀才でサックスが得意な長女・リサ、おしゃぶりがトレードマークの次女・マギー。そして飼い犬のサンタズリトルヘルパー、いろいろあって飼うことになった猫のスノーボール2世からなるシンプソンズ一家が、送る日常が楽しく描かれています。

日本では衛星放送や一部地上波テレビでも放送されたほか、CMキャラクターとして起用される機会も増え、知名度が一気に急上昇。2007年には日本人ファンによる非営利団体「シンプソンズファンクラブ」が結成されました。
現在も日本語版エピソードガイドを作り続けるなど長年にわたって活動している同ファンクラブですが、設立メンバーは「ファンクラブができたのは予想外の出来事がきっかけだった」と振り返ります。
ファンクラブ誕生のきっかけは芸能人声優起用騒動
きっかけになったのは、2007年に公開された映画「ザ・シンプソンズ MOVIE」の芸能人声優起用騒動。シリーズ初となる劇場版映画が公開された際、長くシリーズの日本語吹替版を担当していた大平透さん(ホーマー役)、一城みゆ希さん(マージ役)、堀絢子さん(バート役)、神代知衣さん(リサ役)らオリジナル声優ではなく、「日本の理想の楽しい家庭をテーマ」にしたとして人気芸能人が吹き替え版キャストに起用されることとなったのです。
この決定にはファンから「長年担当されていた声優さんがいるのになぜ!?」「『ザ・シンプソンズ』の日本語版吹替は世界的にみても非常にクオリティーが高いもの。世界一面白く、世界最高の吹替なのに、ようやく決定した初の映画化で肝心な主役が総入れ替えにされてしまうなんて……」と驚きと悲しみの声が上がり、芸能人声優起用報道から約1週間後の2007年8月22日には「シンプソンズファンクラブ」の前身、「映画版『ザ・シンプソンズ』声優変更を考える会」が誕生。
「シンプソンズ日本語版の魅力はベテラン声優陣による吹き替えの巧みさにあるといっても過言ではないこと」「芸能人声優のイメージを悪くするつもりも、20世紀FOX映画の企業活動を害するつもりも、映画の興行的失敗を望むつもりもこれっぽちもない。望んでいるのはただひとつ、『いつものシンプソンズが見たい』というだけ」といった同会の姿勢には多くのファンが賛同し、最終的にはオリジナル声優復帰を求める署名が数多く集まりました。
メンバーがカンパを出し合って活動を行っていた同会には署名が着々と集まる一方で、映画業界とのつながりを持つメンバーはおらず、当初は配給会社とのコンタクトもままならない状況でした。しかしブログで見解を発表したり、地道な活動報告を行うなどして事態が周知されはじめると、配給会社側から公開質問状に回答したい旨の連絡が入り、「テレビ版と映画版は別物だと考えていただきたい」といった回答を得ることができました。
しかし「なぜ声優変更を決定したのか」という質問に対して寄せられた「マーケティング調査によるFOX映画の判断」という回答には反発が大きく、同会ではSNSサービス「mixi」を活用して「日本におけるファン数、年齢層、地域分布」等に加えて「字幕版、タレント吹替版、オリジナル声優吹替版のどれを見たいと思うか」などのアンケートを実施し、「オリジナル声優吹替版」を望む人が92.9%に上ることを調べ上げた他、「オリジナル声優を起用することによる興行的な影響」などについてデータ化したものを示すなどして配給会社との折衝を続けました。
そんな中、事態が動いたのは2007年10月15日のことでした。ホーマー役のオリジナル声優・大平透さんから声優変更を考える会に対して「直接会ってお礼を言いたい」との連絡が入ったのです。そして約30人のメンバーと大平さんが対面した際、告げられたのは「配給会社からDVD版での声優復帰の打診があった」という予想外の言葉で、「(ファンから)アフレコに参加することへの了承が得られた際にはシリーズに復帰する」という意向にはファンも歓喜し、全員で賛成したと言います。
こうして「ザ・シンプソンズ MOVIE」のDVD版とBlu-ray Disc版には、劇場公開版とオリジナル版、そして字幕版という3つのバージョンが収録されることとなりました。
ファンとオリジナル声優が“手作りの上映会”を開催
さらに翌年の2008年5月4日には、ファンへの感謝を伝えるためにと大平透さんが主催した入場無料イベント「第1回シンプソンズ・ファン感謝祭」が開催され、全国から500人ものファンとシリーズに携わった声優が駆けつけました。イベントでは配給会社の許可を得て巨大スクリーンに「ザ・シンプソンズ MOVIE」を上映した他、サイン会、描き下ろしラジオドラマの上演会、キャラクタークイズ大会などが行われました。
またこれを機に「映画版『ザ・シンプソンズ』声優変更を考える会」は「シンプソンズファンクラブ」に名称変更。一連の抗議活動に区切りをつけて、以降は全国の「ザ・シンプソンズ」と交流するための団体へと進化しました。
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