「車いすが健常者・二足歩行が障害者」の世界が体験できるレストランに行ってきた もう理不尽すぎて泣きたい(2/2 ページ)
食事を始めようとすると、オーナーが近づいてきました。テーブルの上にあるアルコールスプレーを指さし「これ、ちゃんと使えてますか?」と聞いてきます。何を聞かれているのか理解できない二足歩行者。戸惑いながら「大丈夫です」と答えるも、オーナーは「お手伝いしますよ。大変でしょ」とスプレーを手にプシュプシュしてくれます。「あ、どうも……」と接客された二足歩行者の方はあっけにとられていました。オーナーは、障害者である二足歩行者に過剰なほど気配りしてくれていたようです。
食事中、突然スタッフが「中腰で食べてください」と声を張り上げます。二足歩行者たちは何を言われているのか理解できず、そのまま立って食事を続けます。すると、何回も何回も「できればかがんでいただけませんか?」と声かけされます。でも、なかなか中腰にはなりません。スタッフはだんだん切れ気味に。「全然、中腰になってくれない」とぼやき始めます。
すると、オーナーが駆け付け、スタッフを裏に呼び出します。裏からオーナーの叱責が聞こえてきます。
オーナー:「対応が雑だよ。正直、僕だって来て欲しくないよ。でも、やんなきゃダメなんだよ。それが優しさだから。ちゃんとやってください、お願いします。対応が雑すぎます」
スタッフ:「(不満そうに)申し訳ございません」
ぼうぜんと聞いているしかありません。この騒ぎのあと、オーナーが出てきて「料理いかがですか? 産地直送の玉ネギで……」と接客しに来てくれましたが、どんな顔をしたらいいものやら。
他のスタッフが背後で「対応が雑っていっても、あんまり構えすぎてもさー」「っていうか、今日二足歩行者多くない?」「なんか、イベントでもあんのかなー」と愚痴をこぼしているのが聞こえてきました。モウ、ワタシ、カエリタイデス。
いかがでしたでしょうか。この体験から感じることは人それぞれではないかと思います。教科書的な答えが示されるわけではないので、モヤモヤが残ります。
“バリアフルレストラン”は公益財団法人日本ケアフィット共育機構が“チーム誰とも”という活動戦略の中で実施しています。事務局の佐藤氏は、バリアフルレストランの目的は「障害の社会モデルの考え方」を直感的に感じてもらうことにあるといいます。
レストラン入店前に「車いすユーザーが暮らしやすい環境」を考えてもらいましたが、そこで何を考えたか思い返してみてください。「車いすに乗っていない人は今の生活のままで、そこに車いすユーザーに合流してもらおう」という発想に自然になっています。バリアフルレストランを立ち上げた理由は、このような無意識の偏りに気づいてもらいたいからなんだそうです。
バリアフルレストランでは、車いすユーザーはなんの困りごともなく暮らしていました。それに対して、二足歩行者はいろんなことに障害を感じ、しいたげられた対応をされました。これを二足歩行者は障害があるから仕方がないと思えたでしょうか。
バリアフルレストランでされた数々の対応は、車いすユーザーである寺田さんやスタッフ役の方々からすると、“車いすあるある”なんだそうです。少し大げさにはしたものの、似たような経験をしているのだそうです。
このイベントは答えが提示される訳ではありません。まずは、無意識で起きている問題を認識し、誰もが、自分と違う人と共に生きる社会をどうやって作ったらいいのかを考え続けていくためのものだそうです。今回は、期間と参加者を限定したイベントでしたが、2020年秋には一般公開される予定です。
(高橋ホイコ)
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