コレクターの死後、残されたグッズはどうなる? 「コレクション」が「遺品」になる前に終わらせたい“最後の仕事”とは:オタクの老後(2/2 ページ)
「家族にコレクションへの理解がないため、このままでは捨てられてしまう」……将来への不安を抱える人も
理解のある子どもたちに囲まれてコレクションを楽しめるTackさんの家庭は、自他ともに認める恵まれた環境といえるでしょう。一方で、コレクター全員がそうではないのも事実。生涯をかけて集めた宝物が、価値を知らない遺族の手で捨てられたり売り払われたりしてしまうケースも珍しくありません。
そうした中、古本や中古玩具をマニア向けに取り扱うまんだらけでは、コレクター向けに「生前見積」というサービスを2016年より続けています。
生前見積は名前の通り、コレクションの行く末を考えているコレクター向けのサービス。漫画やアニメ関連のグッズ、玩具や鉄道模型など、まんだらけが取り扱っているアイテムを対象に、1度につき100点まで無料で査定してもらえます。コレクター本人でなくとも申し込むことができ、査定したからといって必ず売却しなければならないわけではありません。
そんな“コレクター終活の駆け込み寺”となっているまんだらけには、どのような心配事が寄せられているのでしょうか?
利用者の多くは50〜60代。中には40代のコレクターからの依頼もあると、まんだらけ社長の辻中さんは言います。しかし共通しているのは「自分に何かあった際に、残されたコレクションはどうなるのか」という悩み。「家族にコレクションへの理解がないため、このままでは捨てられてしまう」「独身なので、死後コレクションをどうしていいのかわからない」という不安も共通して多いそうです。
「こういった心配を生前に解決しておくための第一歩は、まずコレクター自身がコレクションの価値を理解し、ご家族・周囲の方にも知ってもらうことです。そういった点で企業の保証がある生前見積は周囲の方の理解を得やすいですし、コレクションについての相談窓口があると知ってもらえれば、何かあった際に整理に困ることもなくなると思います」
コレクションの整理について不安を覚えるのは何もコレクター本人だけではありません。辻中さんによれば、残される家族が不安を覚えているケースも多いとのこと。中には夫が集めていたコレクションを死後に査定し、初めて価値を知ったという方も。
「価値が判明していなかったら、ゴミ同然に捨てられていた可能性もありました。そういったトラブルを避けるためにも、コレクターの方は生前からご家族との意思疎通をしっかりされたほうがいいと思います。とにかく、不安とトラブルを解消しておくためには、コレクションの価値が具体的にどれほどなのかお互いに認識しておくのが重要です」
コレクションは興味のない人からすれば価値の有無はよく分からないもの。「具体的な金額」を価値共有の手段にすれば、家族と自分、そして大切なコレクションにとっても幸せな結末を迎えられる可能性は上がるでしょう。
「自身の死を意識したマニアやコレクターの方には、まず相談できる窓口があるということを知っていただきたいと思っています。高齢になれば誰もがコレクションの行く末については悩まれますし、実際にまんだらけに通っていただいているそういったお客様からお話を聞いて始めたのが生前見積ですので、なんとか助力になれるよう今後も尽力したいと思っています」
「日本には100年後には国宝になるようなお品物をお持ちのコレクターが大勢いらっしゃいます。そういった品物が、ひとつでもこの世からなくならないように全力で食い止めていくのも、まんだらけの使命です」
いわゆる第一世代のオタクが60代を超えた現在、数十年越しのコレクションや貴重なアイテムを手元に大量においている人も珍しくありません。彼らは年齢的にも自分の死を意識しておかしくない世代でもあり、今後も「生前見積」のようなサービスの需要は増えていくことが予想されます。
コレクターの死後、コレクションを的確に整理することは文化の保護にもつながります。最後までオタクとして自分も周囲も楽しく生きるためにこそ、死んだ後のことを計画しておく。この先は、それが当たり前の時代になるのかもしれません。
連載「オタクの老後」
この連載はねとらぼとYahoo!ニュースの共同連携企画です。90歳の「ゲーマーおばあちゃん」が注目されるなど、昨今、高齢者でもオタク趣味を持っている人は珍しくなくなってきました。いわゆる「オタク第一世代」(1960年代)も60歳を超え、「オタク」と「老後」は今後より身近なテーマになっていくと考えられます。オタク趣味とどのようにして長く付き合っていくべきか、老後の人生を満喫するためのヒントを全4回の連載で伝えます。
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