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ホッキョクギツネが雪の中でニッコリ! 野生生物の「レアな表情」を写した写真たち
雪の中でニッコリと笑っているかと思えば、不敵な笑みを浮かべるホッキョクギツネ。降りしきる雪にしかめっ面になって「んん〜」という声が聞こえてきそうな表情をしたかと思えば、カメラをじっと見つめるミステリアスなまなざしを見せてくれるユキヒョウ……自然界に生きる動物たちの姿はとてもダイナミックで、写真を通してでもその力強さと美しさが伝わってきます。
これらの写真は世界中のカメラマンたちによって撮影され、環境保全団体・WWFが管理するデータベースに提供されたものです。





動物の子どもや親子の写真は特に、見ているだけであたたかい気持ちになるような写真が多くあります。マヌルネコのくすっと笑える真顔、木登りに挑戦するジャイアントパンダの赤ちゃん……一時は絶滅寸前だったスペインオオヤマネコ(イベリアオオヤマネコ)の姿を映した貴重な写真もあります。






WWFが管理するデータベースには、世界中のカメラマンから9万枚以上もの写真が投稿されています。これらはすべて、WWFの環境保全活動に賛同した撮影者により特別に使用が許可された写真です。



WWFジャパンの公式LINEアカウントと友だちになると、これらの写真の一部を「フォトギャラリー」で見ることができます。
- フォトギャラリーが見られる! WWFジャパン LINE公式アカウントはhttps://liff.line.me/1655837160-2LR3npnJ/7cd794d9b58b4987ad842acfdd9b4ae2#CCID=ls210591_001,e◇こちら◆◆
活動拠点は100カ国以上、地球規模で活動を行う環境保全団体「WWF」
ところで皆さんは、野生生物保護などを通じて環境保全に取り組む団体・WWFの名前を知っていましたか? 具体的なことは知らなくても、どこかで名前を聞いたことがある、もしくは「WWF」と書かれたパンダのロゴマークを見たことがある、という人も少なくないのではないでしょうか。
WWFの正式名称は「World Wide Fund for Nature(世界自然保護基金)」。1961年9月にスイスで設立された民間の環境保全団体ですが、現在は100を超える国と地域へ活動拠点を広げ、地球規模の活動を行っています。

WWFの活動目的は“人が自然と調和して生きることができる未来を築くこと”。科学的な知見に基づいた「地球温暖化を防ぐ」「持続可能(サステナブル)な社会を創る」「野生生物を守る」「森や海を守る」という4つのテーマを柱に、全世界で8000人のスタッフが活動を行っています。そして、寄付などでWWFの活動を支援しているサポーターは500万人以上にのぼります。

日本では1971年、世界で16番目のWWFとして「WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)」が設立されました。
WWFジャパンの事務局は4つの部門に分かれていて、主目的である環境保全プロジェクトを担当しているのは「自然保護活動担当室」です。自然保護活動担当室はさらに「森林・野生生物室」「気候エネルギー・海洋水産室」「淡水・教育・助成金室」の3室に分かれていて、分野ごとに専門性の高いメンバーが野生生物や環境を守るための活動に取り組んでいます。
ホッキョクグマは3カ月“絶食”して過ごす? 意外と知らない「あの動物」のアレコレ
現在では図鑑や写真だけでなく、テレビやインターネットの普及によって、たくさんの動物の姿や暮らしの様子を簡単に知ることができます。しかしそれでも「よく見かける動物だけど、その生態について考えたことはなかった」「貴重な動物だということは知っていたけど、生息数減少の原因までは知らなかった」ということも、まだ多くあるはずです。
ここでは、名前や姿はよく知られている動物たちの、あまり知られていない野生の暮らしや現状を紹介していきます。
野生のカワウソはどこに住んでるの?
動物園や水族館で人気者のカワウソは、そのかわいらしい表情やしぐさがテレビでも度々紹介されています。SNSなどでペットとして飼われているカワウソを見たことや、カワウソカフェで会ったことがある人もいるでしょう。水辺で暮らしているイメージがあるカワウソですが、野生のカワウソはどこに住んでいるのでしょうか?
野生のカワウソは、日本国内にはすでに存在しないと考えられています。
かつて北海道から本州まで、各地の民話に登場するほど身近な動物だったニホンカワウソは、1979年を最後にその姿が確認されなくなってしまいました。

現在日本国内の動物園などで見かけるカワウソの多くは、コツメカワウソという種類のカワウソです。東南アジアの熱帯雨林に生息し、水辺で上手に泳いで魚や甲殻類、カエルなどを捕まえて食べています。
しかし現在東南アジアでは、熱帯雨林の開発が進み、コツメカワウソの暮らせる場所がどんどん減っています。さらにテレビやインターネットの影響でカワウソが人気になったため、ペットとしての需要が増え、野生のコツメカワウソの密猟・密輸が後を絶たなくなりました。特に日本はカワウソのペット需要が高く、東南アジアで2015年〜2017年に摘発されたコツメカワウソ密輸のうち、半数以上が日本に輸出する目的のものだったと判明しています。
野生のコツメカワウソの個体数は、この30年間だけで30%減少したと推定されています。WWFではコツメカワウソを守るため、野生生物が違法に売買されないよう取引を監視。さらに各国の野生生物に関する仕組みや法律に対し、提案や要望の提出なども行っています。
ホッキョクグマは、北極の夏をどう過ごしているの?
ホッキョクグマは北極圏に生息する、世界で一番体が大きいクマの1種です。ホッキョクグマといえば氷の上にいるイメージが強く、実際に一生のほとんどを氷の上で過ごす動物です。海氷が少なくなる夏の間、彼らはどこで暮らしているのでしょうか?
ホッキョクグマは夏になって氷が解けると沿岸部の陸地に移動し、海が凍る秋をじっと待っています。そしてこの時期は獲物が少ないため、3〜4カ月の期間をほぼ断食のような状態で過ごしています。

ホッキョクグマはこの厳しい期間に備え、冬から春にかけてアザラシやセイウチなどの獲物を捕らえて体にたっぷりと体脂肪を蓄えます。しかし地球温暖化の影響を受け年々北極圏の氷が解ける時期が早まり、狩りができる期間が短くなった結果、栄養不足や飢えで苦しむホッキョクグマが増えています。現在野生のホッキョクグマの個体数は2万6000頭ほどと推定されていますが、年々その数は減少していると考えられています。
地球の温度は今この時も、じわじわと上昇し続けています。このまま地球の温度が上がり続けるとホッキョクグマにさらなる影響が出るのはもちろん、異常気象による災害や海面上昇による島国の水没といった形で私たちの生活も脅かすと心配されています。
WWFではホッキョクグマを守り、地球温暖化を防ぐための活動として、省エネルギー化や自然エネルギー(風力、太陽光など)への転換、世界的な温暖化対策の合意に向けた国際的な活動を行っています。
サイの角は何でできてるの?
サイはサバンナのような草原にいるイメージが強いですが、熱帯雨林や湿地などの水辺でも暮らしています。アフリカにはシロサイとクロサイの2種が、アジアにはインドサイとジャワサイ、スマトラサイの3種が生息しています。
サイの一番の特徴といえば鼻の上に生えた立派な角。この角は一体何でできているか知っていますか?
実は、サイの角は私たちの爪や髪の毛と同じケラチンという成分でできています。

しかしサイの角は、古くからアジア各国で「ガンをはじめとしたあらゆる病気に効く」「滋養強壮の効果がある」と信じられ、科学的に薬効は認められないにもかかわらず現在でも高値で取引されています。またそれ以外でも、財力をアピールする目的などでサイの角を欲しがる人も少なくありません。そのため5種全てのサイの角は国際的な取引が厳しく規制されていますが、今なお密猟が絶えません。
現在アフリカにはシロサイ・クロサイ合わせて2万頭前後のサイが生息していると推定されていますが、毎年1000頭以上が密猟の犠牲になっています。アジアに生息するサイはさらに数が少なく、スマトラサイの個体数は80頭以下、ジャワサイの個体数は60頭ほどだろうと推定されています。
WWFではサイを守るために野生生物の市場調査を実施。サイの角の需要が急増している国の政府に対し、違法取引を確実に摘発するよう働きかけたり、「サイの角には科学的な薬効が認められていない」と人々に知らせる活動を行っています。
野生生物の保全って、どんな意味があるの?
「野生生物を保全する」ということは、「生物多様性を守る」ことでもあります。

地球上には人間やパンダ、インコやマグロ、イネやバクテリアといった、多種多様な生き物が暮らしています。そして人間が1人では生きていけないようにどんな動物も1匹だけ、1種だけで生きていくことはできません。肉食動物は他の動物を食べ、草食動物は植物を食べ、植物は微生物の力を借りて生きている……これらの生き物の命のつながりのことを「生物多様性」と呼びます。
このつながりをたどっていくと、地球上にいる生き物は全て直接的、あるいは間接的につながりあっていることがわかります。そのためある生き物の個体数が減ったり絶滅したりすると、他の生き物にも大きな影響をおよぼします。

動物園でよく見かける身近な動物、トラも絶滅の危機に陥っている動物の1種です。かつて野生のトラは10万頭いたといわれていますが、過去100年で個体数が97%も減少してしまい、今や3000頭あまりになってしまいました。
トラの数が激減した主な理由は、人間による過度な自然開発や密猟です。トラの生息地である熱帯雨林は開発によって急激に減少し、トラの美しい毛皮や高価な薬の原料になる骨を狙った密猟も後を絶ちません。自分たちの目先の利益だけを考えた人間によって、そう遠くない未来に野生のトラは絶滅してしまうかもしれないのです。
もしトラが絶滅してしまったら、どんなことが起きるでしょうか?
トラがいなくなると、トラの獲物であるシカやイノシシの個体数は増加します。しかし、増えすぎて食べ物が足りなくなったシカやイノシシは樹木の皮や芽まで食べつくしてしまうので熱帯雨林は荒れてゆき、結果としてたくさんの動物が飢えてしまいます。熱帯雨林が荒れたことで食べ物を得られなくなった動物たちは人里に現れ、農作物を食べてしまい、結果として動物と人間はさらに衝突する……という連鎖まで考えられます。1種類の動物がいなくなるだけで、私たち人間を含めた多くの動植物にはさまざまな影響がおよびます。
そう、「野生生物を保全する」という活動は「直接的、あるいは間接的に私たちの生活を守る」活動でもあるのです。
「自分は自然開発や密猟に関わっていないし、あまり関係のない話だ」と考える人もいるかもしれません。ただもしかしたら、あなたが今使っている製品はトラの住む森を開発した場所に建てられた工場で作られたものかもしれません。人間の生活は、どこかでかならず自然や動物の生活とつながっています。
野生生物や自然環境の保全のために、私たちが今日からできることは?
野生生物を保全する活動の意義がわかった時、私たちにはどんな行動ができるでしょうか。
絶滅の危機に瀕している動物は世界各地、凍てつくような寒さの南極、人が簡単に立ち入れない熱帯雨林など、さまざまな場所に生息しています。動物の生息地に行って直接保護活動に参加するということは、誰にでもできるものではありません。

環境保全活動に直接参加することが難しい場合、WWFに寄付として支援金を送ったり、サポーターとして入会して継続的に支援を行ったりするという方法があります。寄付は動物園などに置かれている募金箱のほか、インターネットを通じて申し込むことも可能で、500円以上の自由な金額を送金することができます。
ただ、いつでも誰でも支援を送ることができるわけではありません。自然環境や野生生物の保全のために協力したい気持ちはあるけれど、すぐに寄付や支援をするのが難しいという人は、どうすればよいのでしょうか。

大切なのは、野生生物や自然環境に関する情報に興味を持ち、身近なこととして考える姿勢です。

あどけない表情を見せるゾウの赤ちゃん。このゾウの赤ちゃんが家族と一緒にいられる環境を守るために、私たちにはどんなことができるでしょうか。
まず考えられるのは、ゾウの住みかである森林を守るために、紙資源を無駄遣いしないことと、紙資源のリサイクルに積極的に取り組むことです。さらに資源利用や環境保全への理解を深めていくと、「FSC認証」(環境に配慮して生産された木材を使った製品につけられる認証)マークの付いた紙製品を選ぶ、というような行動もできるようになります。
動物の写真を見て「かわいいな」「神秘的だな」と感じたら、それは自然環境や野生生物の保全のために行動を始めるチャンスです。その写真に写っている動物たちが暮らしている環境や、私たちの日々の生活とその動物たちとのつながりについて、少し立ち止まって想像してみましょう。
WWFが紹介している動物たちの魅力的な写真の数々は、そんなきっかけを与えてくれます。
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