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近年、完全に普及した感のある電子書籍。特にコミックに関しては「Web上の連載をブラウザで読み、気に入ったものは電子書籍で単行本を購入する」という、一度も紙媒体を経由せずに読まれる形も一般的になりました。読者の皆さんにとっても、電子媒体でコミックや書籍を買うことは、さほど特別なことではないはず。
では、皆さんは今までに電子書籍を何冊購入しましたか? いかに普及したとはいえ、さすがに「万冊単位で電子書籍を購入している」というヘビーユーザーはそこまでいないはず。ではご覧ください。これが2万冊電子書籍を購入した人の本棚の画像です……!
こちらの画像は、電子書籍販売サービス「ebookjapan」でこれまで2万冊以上の電子書籍を購入したというユーザー、Cironさんのビューアー画面です。この量だとほとんど書店。「実際に自宅に2万冊本を置く」というのは大半の人には無理なはずなので、電子書籍ならではの光景と言えるでしょう。
そもそも背表紙をずらっと並べられる電子書籍販売サービスというのも、知らなかった人が少なくないのではないでしょうか。ebookjapanってそんな表示方法があるんですね……!
ということで今回は、ebookjapanの担当者、そしてユーザーであるCironさんにインタビューを行い、ebookjapanを使い始めた理由から、普段どのように電子書籍を楽しんでいるかを根掘り葉掘り聞いてきました。長年かけて電子書籍の収集を極めたCironさんは、いったいどのような楽しみ方をしているのでしょうか?
「背表紙がある」こと自体がebookjapanの持ち味だった
──あらためてこの画像を見ると、やっぱりすごいですね……。一般的な学校の図書館で2万冊蔵書があると「かなり多い」ということになるそうです。なので、Cironさんの蔵書の量は図書館レベルということになりますね。
ありがとうございます。実はこれだけの書籍の背表紙を一覧表示する機能がebookjapanにあるわけではなくて、ebookjapanのブラウザ版で表示できる一番小さい(=一番多くの本が表示できる)縮尺で購入済み書籍の背表紙一覧を表示して、それでも一画面には表示しきれなかったので、そうして撮ったスクリーンショットをつなぎ合わせて作った画像なんです。
──「2万冊の背表紙」画像をX(旧Twitter)に投稿したこともあるそうですが、どんなリアクションがありましたか?
ここまで並べられると達成感はすごくあります。あと、表紙って毎回描かれているキャラクターが変わったり、色合いやデザインも巻によって結構変わったりするじゃないですか。でも背表紙って作品ごとに決まったフォーマットがあるんで、ずらっと並べた時に視覚的に探しやすいし、表紙が並んでる画面よりも一目で確認できる冊数が多いんですよね。達成感だけじゃなく、普通に便利なんです。
──本物の本棚と同じような便利さがあるんですね。しかし、これだけの冊数を集めるとなると相当長年買い続けないといけないと思うんですが、普段はどういうペースで電子書籍を購入しているんでしょうか?
最近は「毎週3000円前後、月に1万2000円ほど」という金額の上限を決めて購入しています。前から「予算を限って購入しよう」と思ってはいるんですが、それでもついつい週に5〜6000円くらい使っちゃうこともあって……。最近はなるべく我慢するようにしています。
──買っている書籍の内容はどういった感じですか?
この2万冊は、ほとんどマンガですね。少年マンガのいわゆる大手四誌(週刊少年ジャンプ、週刊少年マガジン、週刊少年サンデー、週刊少年チャンピオン)は毎週買ってますし、他にもいろんな会社のいろんな作者の単行本をとにかく買い漁って、黙々と読んで……という感じです。
──ebookjapanって、雑誌も買えるんですか?
──あ〜、なるほど、この赤いのが続いてるのが少年マガジンなのか……。
電子書籍の黎明期からマンガの配信を続けてきたebookjapan
──ここまでのめり込むようになったきっかけというか、電子書籍を買い始めたのはいつごろからなんでしょうか?
2004年ごろ、ΣBook(シグマブック)という端末がパナソニックから出ていたんです。ちょうど今のKindle Paperwhiteのプロトタイプみたいな感じの端末で。それまでにもコマの絵がひとつずつ出てくるガラケー向けのマンガ配信サイトはあったんですが、このシグマブックが登場したことで、ようやくデジタルでも実際の本と同じように1ページずつマンガを読めるのかな、という機運が出てきたんです。
──ありましたね……1コマずつ出てくるガラケー向けのマンガ配信サービス……。
そのΣBook向けの電子書籍配信サービスはパナソニックが運営していたんですが、割とすぐにサービス終了しちゃったんです。以降同じパナソニックから出たWords Gearっていう端末も買ったけどすぐ終わっちゃって、それでその次に出てきたシャープのGALAPAGOSっていう端末も買ったんですが、それもすぐ終わっちゃって……。
──20〜15年くらい前の、電子書籍端末と各種の配信形式が続々出てきては潰れていった時期を、リアルタイムで体験してらっしゃったわけですね……。
2000年の創業当初にやっていた電子書籍ストアが、「10daysbook」っていう名前だったんです。創業当時の社長が構想していたのが「電子書籍の10日間レンタル」みたいなビジネスだったのでこういう名前になりました。すぐに「やっぱり本棚に買った本が残ってたほうがいいよね」ということで、10日間レンタルの構想は早々に無くなったのですが……。
で、この時期に、10daysbookのマンガデータをΣBookで読めるようになっていたんです。パナソニックのストアってマンガが少なくて、一方で10daysbookはマンガに強かったんで、デジタルで読めるマンガを探していた自分はこれに飛びついたんです。
──じゃあ、10daysbookからebookjapanへと変化する中で同じサービスを使い続けているのは、マンガが読めたからという理由も大きいわけですね。
そうですね。ラノベとかも読むは読むんですけど、やっぱりマンガのほうが一冊読み終える時間が短くて、たくさんの作品に触れられる。もともとマンガが好きで、電子書籍以前から紙のマンガを買ってはいたんです。書店で売ってる人気のある作品を読んで、読み終わったら棚にしまう。その体験も面白いんですけど、結局新しいものを探すうちに本や本棚が増えちゃった。雑誌も家中に積み上がるくらいになっちゃって。
──置き場所がいらないのは、電子書籍を使う大きな利点ですよね。
あと、紙をめくって読むより電子で読むほうが、読むペースも上がってるんじゃないかなと思います。内容が同じなら速く読めるに越したことはないという感覚も私の中にはあって、そういう意味では電子書籍のビューアーは理にかなっている。その結果、内容を理解しつつ高速で読んで、作品の魅力に気付いたころには全巻買っちゃった、みたいなことが多いです。
──なるほど。ちなみに先ほど色々な電子書籍用端末を乗り継いできたというお話がありましたが、今はどういう端末を使って読んでいるんでしょうか?
今は、家で読む時はiPadを使っています。移動中はスマホですね。ebookjapanは昔から「どの端末でも電子書籍のファイルをダウンロードして、好きなように読める」という部分に力を入れてくれていると思います。今では登録したデバイス全体で自由に読めるようになったので助かりました。おかげさまで「移動中はスマホで読んで、家ではiPadで読む」というような生活ができるようになっています。
老舗ならではの信頼性の高さがebookjapanの良さ
──現在、ebookjapanの他にも電子書籍販売サービスは色々ありますが、他に浮気しようと思ったことはないんですか?
マンガに関しては、そういう気持ちは全然ないですね。ebookjapanって、いい意味で変わらずにサービスを提供し続けてくれるんですよ。自分はとにかく「マンガのページの解像度が高くて、綺麗に読めたらそれで充分」という人間ですし、読み方のスタイルも変化がないので、フォーマットを変化させずに高解像度でマンガを配信してくれるebookjapanのスタイルは大変ありがたいんです。
もちろん、サービスとしてはユーザーの皆様にとってより使いやすく、新しい作品との出会いが提供できるように、サイトやアプリの改善には積極的に取り組んでいます。何よりサービスを続けていくことが重要だと考えているので、これからも多くの方にebookjapanを使ってマンガや書籍を楽しんでいただけるよう、これからも努力し続けていきます。
──色々な電子書籍端末や配信サービスの終わりを見てきたCironさんだからこそ言える感想ですね……!
やっぱり「同じ会社でたくさん買って集めても大丈夫」っていう安心感があるんですよ。「電子は実は寿命が短くて紙の本のほうが長持ちする」っていう話もよく目にしますし、それは正しいのかもしれませんが、紙の書籍にしても20年以上手元に置いておいたらページが破れたり、日に焼けてくたびれたりすると思うんですよね。私はebookjapanをもう20年以上使ってますけど、一番はじめに買った本がいまだに綺麗に読めるんです。これはけっこうすごいことだし、老舗の電子書籍販売サービスならではだと思います。
──では「ちょっとebookjapan使ってみようかな?」と思い始めた人に向けて、「こういうところがいいよ」というおすすめのポイントはありますか?
先ほど言った「長年配信を続けていて、信頼性が高い」ということ以外だと、「単純にブックリーダーとして読みやすい」というのもあると思います。読み込みに時間がかかったり、余計な画像補正がかかって本来見たい画質にならないとか、そういうことがないんです。マンガならば、本当に誌面の通りにくっきりと読める。マンガの画質という面に関しては、昔から気にしてくれていると思いますし、ebookjapanの信頼できる部分ですね。iPadで全面表示しても粗が出ないくらい画質がいいですし、マンガだけではなく画集やイラスト集もebookjapanで買っているんですが、そういった絵がメインの本でも紙の本と遜色ない解像度で読むことができます。
──信頼性と画質という、マンガを配信する上で基礎的な部分がちゃんとしているんですね。
あと、継続的にポイント付与や割引をやっているのもebookjapanのいいところです。先ほど「毎週3000円」と決めてマンガを買っているという話をしましたが、これは毎週の金土日に集中して使っています。というのも、ebookjapanでは「コミックウィークエンド」というポイント付与のキャンペーンを毎週やってるんです(※取材当時)。これはPayPayで支払うと最大で30%PayPayポイントが付与されるというもので、私は毎週このタイミングで単行本を買うようにしています。定期購読してる雑誌は別ですけど。
──じゃあもう、「週あたりこのくらい使う」というのを決めて、毎週同じタイミングでガサッと買うというのが一番お得なわけですね。ちょっと自分も使ってみたくなってきました……!
今までも「ebookjapanはいいよ」とことあるごとに言ってきましたけど、皆さんに積極的に使ってもらえるとそれだけサービス自体が長持ちするので、ebookjapanも助かるし、自分のようなベテランユーザーも助かるんです(笑)。だからこの25周年という機会に、ちょっと使ってみてもらえると嬉しいですね。
──なるほど、全員にとって得なわけですね! 納得です。今日はどうもありがとうございました!
25周年記念の特設ページもオープン!
「長年マンガの配信を続けている老舗」という、ebookjapanの特徴がよくわかったCironさんのインタビュー。「サービスを続けてくれること自体がありがたい」という、電子書籍黎明期からのヘビーユーザーならではの感想には含蓄がありました。数々の電子書籍端末と配信サービスが現れては消えていった歴史を考えると、「安定して長年電子書籍販売サービスを続ける」こと自体がなかなかすごいことなのがわかります。
ということで、創業から25周年となったebookjapanでは、4月25日から5月19日まで、特設ページにて記念イベントを開催! 日替わりでの全話無料、複数巻無料などの無料キャンペーンのほか、コミックウィークエンドのPayPayポイントの最大付与率が通常よりさらに10%アップ! さらにユーザー参加型のWebサイト用ボーナスコインプレゼント企画や、スタンプを貯めるとWebコインやクーポンが当たる25周年記念スタンプラリーなどのイベントも開催されます。
そして記念イベント期間最終日目前の5月17日には、さらなる大イベントが開催されるという情報も。お得なキャンペーンのほか、読んで楽しいさまざまな企画ページも今後続々公開していく予定だそうです。
この期間に、ebookjapanの25年間の歩みを振り返りつつ、お得に電子書籍を楽しんじゃいましょう!!