突然ですが、新宿駅の地下に「巨大なエビ天」が出現しました。ちょっと何言ってるかわかんないと思いますが、マジで出現したんですよね、これが。
場所は東京・新宿駅の地下通路、メトロプロムナード。問題の「巨大エビ天」は4月28日から出現しているようです。そのサイズは全長約3メートル! でかいんよ……。
天ぷらといえばサクサクした食感が特徴の料理ですが、このエビ天の横には「サクサク、というかサフサフ(SAF SAF)」「テンションもアガるさわり心地」と書いてあります。
「サクサク、というかサフサフ(SAF SAF)」……らしい
このエビ天は手で触れてもいいそうなので、実際に触ってみると「サフサフ」な触り心地を実感できます。これがサフサフか……いや、なんだよサフサフって。
手で触って「サフサフ」を実感できます
そしてこのエビ天、全体をよく見ると、飛行機のような形をしています。いったいなぜ飛行機?
「サフサフ」なエビ天は、「SAF」の広告だった!
この「巨大エビ天」は、「♪心も満タンに〜」のサウンドロゴでおなじみのCOSMO(コスモ)の屋外広告でした。
同社は廃食用油を原料にした航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)の量産化を日本で初めて実現した会社です。その取り組みについてわかりやすくアピールする方法を考えた結果……「巨大エビ天」が登場することになったのです。
廃食用油を原料にした航空燃料「SAF」
なるほど、使用済みの食用油から作られる航空燃料だから“天ぷら”、SAFは「サフ」って読むから触り心地が“サフサフ”なわけですね! そんな方法で航空燃料が作られる時代になったんだ……!
この広告を出すにあたって、COSMO(コスモ)は「サフサフ」がどういう触り心地なのかをしっかり検証し、硬すぎず柔らかすぎないベストな素材にこだわってエビ天を作り込んだそうです。そこにこだわったのね。
次世代の航空燃料として注目される「SAF」
それはさておき、COSMO(コスモ)が量産化を実現した「SAF」は、次世代の航空燃料として業界内で実際に期待されている存在なんだそうです。
一般的な航空燃料は化石燃料を原料として製造されますが、SAFは廃棄された食用油やバイオマスなど再生可能な資源を原料としているほか、製造工程で大気中の二酸化炭素を取り込んで光合成を行うというプロセスを含みます。ジェット燃料は燃焼時に二酸化炭素を排出しますが、SAFは製造工程で二酸化炭素を取り込んでいるため、燃焼しても大気中の二酸化炭素総量を削減できる計算となるのです。そのため、製造から使用までのサイクル全体での環境負荷が大きく軽減できると考えられています。
廃食用油を回収してから、航空燃料としてエアラインに提供されるまでのサプライチェーン
コスモエネルギーグループは、日揮ホールディングス、レボインターナショナルと共同で、原料となる廃食用油の調達から、SAFの製造・品質管理、航空会社への供給に至るまでのすべてのSAFサプライチェーンの構築を日本国内で初めて実現しました。さらに2025年度からは、年間約3万キロリットル(東京ーロンドン間の350往復分)のSAFの供給を目指しているとのことです。
「飛行機の形をした、巨大エビ天」 その背景は奥深かった!
……そんな活動をわかりやすくアピールするための広告が、全長約3メートルの「巨大エビ天」だったとのこと。ぱっと見は「な、なんだこれは……?」と戸惑いましたが、実は非常にマジメな取り組みだったんですね。
そんな「サフサフ」した巨大エビ天は、4月28日から5月11日まで新宿駅地下のメトロプロムナードで展示されます。謎すぎる触り心地を確かめつつ、ついでにサステナブルな航空燃料のことも知ってくださいね!
「サフサフ」な巨大エビ天。実際に見て、触って確かめてみて!