暑い夏でも室内で楽しめる「プラモデル」作り。まとまった時間がなくても楽しみ方はいろいろです。前編ではサクッと「タミヤ 1/48 Pkw.K1 キューベルワーゲン82型」を素組みするところまで進めました。今回は最小限の塗装をして「なるべく手軽にそれらしく」仕上げていきます。

素組だけだと気になるところは……
この状態も決して悪いとは言いませんが、改善できる余地はありそうです。ざっと気になるところを挙げていくと以下のようになります。
- フロントガラスのフレームが透明で悪目立ちしているので塗りたい
- パネルラインにスミ入れ+全体をウォッシングしたい
- タイヤを塗る、できれば幌、シャベルも塗り分けたい
- デカールを貼りたい
言い出せばキリはないですが、プラスアルファで上記の4点を目標にします。「なるべく手軽に」と言いながらやること多いじゃないか、とお思いかもしれませんがメインの塗装アイテムをマーカーにすることで省力化を図ります。
今回メインで使用したのはArrtxの「アクリルペイントペン」のセットです。1本あたりの単価が安かったので購入しました。これを実践投入しながら試していきます。

塗装の対象はタイヤ、幌、シャベルの3点。色味でいうと黒系、カーキ系、シャベル先端のグレー系、柄の茶色系になります。この4色のマーカーをそろえれば対応できそうです。
近年はアクリル系のマーカーがちょっとしたブームのようで各社から発売されています。その多くがブラシタイプと呼ばれる筆ペンのようなペン先で、プラモデルのように曲面の多いパーツにも塗りやすい形状になっています。アクリルなので発色や伸びもよく、乾燥も早めで効率的に作業を進められます。
タイヤは何で塗る?
まずはタイヤです。前述のとおりマーカーを使います。ホイールにタイヤの黒がはみ出さないよう慎重に塗っていきますが、はみ出しすぎたら綿棒に溶剤をつけて消せばよいので気にしすぎない程度にやっていきます。
タイヤを黒で塗るとちょっと強めになってしまうので本来なら濃いめのグレーあたりで塗りたいところではあります。ただ今回はマーカーのセットの中に適したグレーがなかったのでそのまま黒でいきます。
また、マーカーの場合、黒が光沢系になっているものがあります。今回使っているArrtxもつや消しというよりはやや光沢があるものになっています。正直タイヤの表現にはベストとは言いにくいですがここはまあ妥協しましょう。
黒の光沢に関しては念のため複数社のマーカーを試してみました。わかりにくいかもしれませんが光沢が少ない順に左から並べています(照明などの外部要因によっても変わるので参考程度にしてください)。

今回検証した環境では最も光沢が少ないのはタミヤのフラットブラックでした。まあこれはあえて「フラット」という名称になっているくらいなので当然かもしれません。以下、Arrtx、Steadtler、ガンダムマーカー、の順番に光沢が増し、もっともツヤがあるのはDSPIAEでした。
形状の観点から言うとタミヤマーカーとガンダムマーカーは先端がブラシ系ではないので今回のタイヤのような凹凸があるパーツを塗るのはちょっと大変だったりします。特にガンダムマーカーの先端は硬いので相性があまりよくないです(ガンダムマーカーなのでキューベルワーゲンのタイヤに合ってなくても仕方ない)。
ただもちろんこれらは優劣ではなく特徴の違いなので状況によって使い分けるのが良いかと思います。ちなみにタミヤマーカーはエナメル系のため、同じエナメル系のタミヤスミ入れ塗料でウォッシングすると色落ちするので要注意です(実際に作業をして気付きました)。
今回は発色のテストも兼ねてそれぞれのマーカーでタイヤを塗っているので、スペアを含めた5つのタイヤをよく見ると色味が全て異なっています。塗り直すことも検討したのですがまあそんなに目立たないと思うのでこのまま進めます。
フロントガラスのフレームを塗る
前述のアクリルマーカーでフロントガラスのフレームを塗っていきます。Arrtxのマーカーだと「C51」番がキューベルワーゲンの成形色に近いです。
お守り程度にマスキングしていますがブラシタイプのマーカーは塗面のエッジを出しやすいので直線的な塗り分けは思ったよりもラクです。クリアパーツはなかなか色が乗りにくいものですが、このマーカーはしっかり定着してくれます。滑り出しは順調です。

塗り終わった状態がこちら。やはり透明パーツはどうしても目立ってしまうので浮いた感じがしていましたが、フレームに色を付けることでなじんできました。これだけでだいぶサマになっています。

続いて細かいところを仕上げていきます。幌はArrtxのセットにあったカーキ系の色で、シャベルの柄も同様に茶色系で塗っていきます。シャベルの刃の部分をシルバーかグレーで塗りたいのですがマーカー基本セットの中に近い色がなかったので、ここは別のマーカーを購入して対応しました。
スミ入れは専用塗料で
つづいてスミ入れです。スミ入れとはパーツに再現されている溝に薄めた塗料を毛管現象を利用して流し込み、それを拭き取ることでパネルラインを表現するという手法です。今回はタミヤの「スミ入れ塗料」を使用します。昔はエナメル塗料を自分で薄めて作っていたものですが、便利になったものです。
ちなみに個人的にはスミ入れは黒以外がオススメです。黒だとどうしても主張が強くなってしまい、パネルラインが目立ちすぎてしまう懸念があります(パネルラインをバキバキに演出したい場合はもちろん黒もありです)。特に今回のような小サイズのモデルの場合は茶色、グレー系でスミ入れするのが手堅くまとまると思われます。

パーツ面に色を乗せておくことで色をなじませる、いわゆるウォッシングも並行していきます。スミ入れではパネルラインをちょっとだけ乾燥させてから綿棒で拭き取るようにすると、色が乗りやすいです。
今回は本格的に塗装しないため、プラ面に直接ウォッシングすることになります。最初は不安でしたがやってみると思った以上に定着してくれて、塗装面にウォッシングしたときとあまり変わらない仕上がりになっています。これは思わぬ発見でした。

デカールを貼って最終仕上げ
いよいよ作業も終盤、デカールを貼っていきます。前後のナンバープレートはかなり小さいので要注意です。
ドアの部分のコーションマークのようなデカールは、パーツ面の凹凸が大きいのでかなり貼りにくいです。パーツ面になじませようとデカール柔軟剤のマークソフターを使ったのですが、分量をまちがえてデカールが柔らかくなりすぎてデカールが曲がってしまいました。昔から苦手なんですよね……まあこれも良しとしましょう。

最後につや消しクリアーのスプレーを吹いてコーティングして完成、と思ったのですが予想以上にウォッシングの乗りがよかったので、クリアーコート無しでも成立している気がしてきました。なのでここで作業終了とします。ここまでお疲れ様でした。


まとめ
「頑張りすぎない」キューベルワーゲン製作、いかがだったでしょうか。本格的な塗装をしなくても成形色ベースでそれなりに仕上がっているかと思います。実際の作業時間はキットを組むのに2~3時間、塗装・仕上げも2~3時間といったところです。全体を通して流し込み接着剤やマーカーなど乾燥時間の早いアイテムを使っているので待ち時間もあまりなく進められました。

今回の工程はざっくり1日、作業への慣れ具合にもよりますが昼頃に始めれば夕食前には形になるでしょう。塗装が大変そうだからとスケールモデルを敬遠している方にも一度お試しいただきたいと思います。夏休みのお供にプラモデルづくりをぜひご検討ください!