Amazonの手書きノート機能を備えた電子書籍リーダー「Kindle Scribe」の新モデルを使ってみました。
Amazonの「Kindle Scribe Colorsoft」は、手書きノート機能を備えた電子書籍リーダー「Kindle Scribe」シリーズのカラーモデルです。目に優しく電池持ちの良いE Inkデバイスながらカラー表示が可能で、付属のペンを使って手書きができるノート機能も備わっています。
スリムなデザイン。落ち着いた「フィグ」カラーが選べる

Kindle Scribe Colorsoftは、B5サイズに近い245(縦)×189(幅)×5.4(厚さ)mm。11インチの大画面を備えながらベゼル幅が狭いので、ディスプレイサイズの割にコンパクトかつ非常にスリムで、重さは約400gと同サイズの一般的なタブレットと比べても軽くなっています。

カラーはグラファイトと、ブドウのような深みのあるフィグの2色から選択可能。フィグは落ち着いた色合いで、性別や年齢を問わず使いやすい色という印象です。ストレージは32GBと64GBの2種類が用意されていて、保存したいコンテンツの量に応じて選べます。価格は32GBが10万6980円、64GBが11万5980円です。

11インチとディスプレイサイズが大きくかつカラーなので、電子書籍リーダーとしては、特にコミックや雑誌、図鑑などを読むのに向いています。実際に雑誌や図鑑を何冊も持ち歩くのは大変ですが、それがこれ1台でできるのが電子書籍リーダーのメリットです。普段から電子書籍をKindleで購入している人は、過去に購入した書籍の中にカラーのものがあれば、カラー表示が可能。タブレットのようなくっきりした鮮やかさはないですが、その分目に優しく、小さな文字も読みやすいです。もちろん書籍によっては文字のサイズを調節したり、雑誌やコミックではピンチ操作で一部分を拡大表示することもできます。
ディスプレイにはフロントライトが内蔵されており、明るさの自動調整や色調調節の機能も搭載されています。周囲の明るさに合わせて画面の明るさを自動で調整してくれるほか、色調調節の時間を指定して、就寝前はより目に負担の少ない暖色系の色合いに切り替えるといったことも可能。環境にあわせて目が疲れにくい明るさや色味に調整でき、さまざまな本を快適に読み進めることができます。
ノート機能は豊富なテンプレートと抜群の書き心地が魅力
「Kindle Scribe」シリーズの特徴である手書きノート機能には、テンプレートが豊富に用意されており、無地や方眼、横罫、縦罫など、さまざまなノートが作成できます。たとえば30分刻みで区切られた1日の予定表やチェックリスト、議事録、ストーリーボードなど、幅広い用途のフォーマットを自由に選んで使えます。


最大の特徴はその書き心地。Amazonによれば新しいテクスチャ加工のガラスを採用したとのことで、適度な摩擦はありつつもペン先が画面を滑らかに滑り、まるでツルっとした上質な紙にペンを走らせているような自然で心地良い感触です。付属のタッチペン「プレミアムペン」は充電や電池交換が不要。さらに面倒なペアリングなどの設定も不要で、購入後すぐに書き始められるのもうれしいポイントです。

書き込みはペン、万年筆、サインペン、鉛筆に加え、イラストの陰影や淡い色合いの表現に向くシェーダーの5種類10色が選べます。また、ハイライターは太さが極細から極太までの5段階、5色が利用可能。色やタッチを選びながら表現力豊かにメモが書けます。カラーでの書き込みも遅延なく反映されるため、色の使い分けも簡単で全くストレスがありません。図形を作成できるツールもあり、四角形、丸、三角形のほか、線や矢印もきれいに描けます。


手書きメモをアウトプットしやすく、仕事にも活用しやすい
作成したノートはiOS/AndroidのKindleアプリからも参照可能。外出先でスマートフォンから内容を見返せるので、会議のメモや思いついたアイデアをすぐに書き留め、後から仕事で活用するといったこともしやすくなっています。さらにGoogle DriveやMicrosoft OneDriveと連携してドキュメントをPDF形式でインポート/エクスポートできるほか、Microsoft OneNoteへの書き出しにも対応。Kindle Scribe Colorsoft単体で完結させず、パソコンなど別の環境でも編集を続けられるのはありがたいポイントです。
ノート以外にもKindleの書籍によっては、ペンを使ってマーカーを引いたり、メモを書き込んだりすることができます。マーカーを引いたり、文字を選択して検索するといった操作は、他のKindleデバイスでも可能ですが、ペンが使えると指先では面倒だった細かな操作もスムーズにできます。


普段からKindleで電子書籍を購入しており、メモは手書き派という人にとっては、カラーの読書端末とノートを1台にまとめられる魅力的な製品ですが、購入の際のハードルになるのはやはり価格でしょう。
昨今の部材や物価の高騰を考えればやむを得ないとはいえ、10万円を超えるとなると、タブレットとどちらを選ぶか迷うところ。なおカラーE Inkを採用するKindle Scribe Colorsoftには、1回の充電で最大8週間の読書が可能(明るさ設定13、ワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合。手書き機能利用時は最大2週間)と、タブレットに比べて電池持ちが桁違いに良く、いつでも思い立ったときにすぐ使えるというメリットもあります。
スリムなデザイン、目に優しく見やすいカラーディスプレイ、紙のような書き心地のノート機能、そしてクラウド連携によるアウトプットのしやすさを兼ね備え、かつタブレットのようにSNSの通知に読書を邪魔されるといったことがないのも専用端末ならでは。本を読む、書くという用途に絞るなら、良い選択ではないでしょうか。