ついにベータ版の完成までたどりついた「英雄伝説VI」。新たな物語,グラフィックの大幅な向上など見所満載だ。
日本ファルコムの開発スタッフ陣に話を聴いた。
■SBG:「VI」は前作までの「ガガーブ・トリロジー」の続編や外伝を制作するという選択肢もあったと思われますが,今回全く新しいものになったのは?
ファルコム:ガガーブの物語は「海の檻歌」で世界の謎が解き明かされ,完結したという認識が企画に関わったほとんどのスタッフにありました。
何より「英雄伝説」のコンセプトである“物語をきちんと作る”を貫くため新作にしたのです。「VI」が「英雄伝説」であるためには新しい世界を提示することが必要な時期だと判断しました。
同時に,過去三作で培ったものを活かして,新しいアプローチで取り組んでみたかったというのも,スタッフの間にあったのも事実です。
■SBG:リアルタイム3Dで描かれることになったグラフィックで苦労したことを教えてください。
ファルコム:3Dになってもこれまでに培ってきた,キャラクターの細かい演技を前提とした「英雄伝説」らしい画面は継承したかった。
キャラクターや建物の大きさ,マップや街の広さなど,どれくらいの比率で作成したらいいのか随分悩みましたね。
イースチームとも協力しながら作業したが,3Dになったことでグラフィックの作業が膨大なものになってしまいました。
■プレイ中,3Dで再現されたゲーム画面を回転させる事も出来る。また,夕方になると影が伸びるなど,細かい拘りの演出が随所に施されているのだ。
イースなどと異なり,データがたくさん必要なゲームなのでどのくらいの緻密さでマップを作っていくのかを決めるのにてこずりましたよ。
当たり前だけど綺麗でも時間がかかりすぎるのは駄目,短時間でできても「世界」を描く英伝らしさがなければ駄目。前作まではドットを打っていたので,テクスチャ作成時にはみんなが凝りたがって困った。
■SBG:カメラワークなどの演出については?
初めてのことが多いので,カメラワークはみんなで映画やゲームなど色々なものを見て,どう動かすのか研究しました。
イベントが多いので,何度も組みなおしながら手間と時間のバランスを考慮しつつ,今の方式に落ち着くまで試行錯誤を繰り返し。決まれば後は速かったですね。
画面効果は全体を通して,クオリティーと作業にかかる時間を秤にかけてベストと思える選択を重ねてきたつもり。データ量が増えた分,キレイな画面を作るには制作体制もずいぶん見直しが必要になりました。
■カメラワークもちろん,美しいグラフィックは流石ファルコムと唸らせる出来!ゲームをますます盛り上げるぞ!
■SBG:演出効果でオススメのものなどを教えてください。
「全部」(笑)。
強いて言うならPCゲームならではのマップグラフィックの緻密さに加え,イベントでのキャラクター演技の細かさ,演出がさらにパワーアップしているので注目してほしい。
特に戦闘の派手で爽快感のあるエフェクト,サウンドはスタッフもお気に入りです。
■SBG:自由度がさらに高くなったということですが具体的にどういった部分に手を加えているのか?
ファルコム:これまでの「英雄伝説」は,シナリオ重視でプレイヤーが介入できる余地が少ない印象が強かったので,これを払拭したかったんですよ。
そこで今回,メインシナリオを楽しむ以外にも「料理」や「ブレイサークエスト」「導力魔法(オーバルアーツ)」(注)といった要素が組み込まれていて,プレイヤーの任意で利用できます。
いずれもゲームを有利に進めることができるシステムですが,それほどこだわらなくても先へ進んでいくことができるようになっています。こわりたい人が自由に徹底的にこだわれますよ。
料理は,せっかくシリーズで初めて女の子が主人公なので,女の子らしい要素がシステムにも欲しいと思い導入しました。
■ブレイサークエスト
メインシナリオのイベント以外にも主人公は遊撃士として色々な仕事を請け負うことができる。
これが「ブレイサークエスト」。内容は魔獣の退治から護衛,配達,街の人の手助けなど本当に多種多様。
仕事をこなすことで遊撃士としての経験値(BP)が上がり,報酬をもらうことができる。
依頼によって請け負える時期が決まっている。
■料 理
料理を食べることで作り方を覚えて,材料が揃っていればどこでも作ることができる。
材料は敵が落としたり買ったりして手に入れる。ダンジョンで回復アイテムがなくなっても,食材を料理して食べることで回復が可能に。
さらに料理は回復するだけでなく,色々な効果があるので戦闘を有利に進めるためのアイテムにもなる。
たくさん料理を覚えておけば,旅先で料理することで回復できるし戦闘も有利に進められる。
さらにお金の節約にもなる?
■導力魔法(オーバルアーツ)
これまでのシリーズでは魔法はキャラクターによって覚えられるものが決まっていた。
今回はパーティーキャラの特性による制限があるものの,プレイヤーがキャラごとに使う魔法をカスタマイズすることが可能に。
クオーツを上手く組み替えることによって,予想外の強力な魔法が使えるようになることも。
これらによってお金の使い道にもこれまでより自由度が生まれる。武器の買い替え,オーブメントの強化,料理の充実。パーティーを強くするにしても手段が幾つか提示されることになる。
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