雨が止むことなく降り続ける街“ピオーヴァ”。そこは,音楽家を夢見る若者達が集う,音楽の街でもありました。
物語の主人公クリス=ヴェルティンは,恋人のアリエッタが暮らす生まれ故郷の田舎街から遠く離れ,彼女の双子の妹トルティニタとともに,街のシンボルであるピオーヴァ音楽学院に通っていました。
魔導奏器フォルテールの奏者,フォルテニストになることを目指し,クリスがこの街に来てから2年以上の月日が流れました。
季節は冬……。
あと数ヶ月で卒業を迎えるクリスは,フォルテール科の卒業課題として,一月半ばの発表会で,歌唱担当のパートナーと共に,オリジナル曲を合奏しなければなりませんでした。
しかしクリスは,未だにそのパートナーさえ決めようともせず,ただやる気のない毎日を送り続けていました。
■音の妖精フォーニや恋人アルリエッタ,アルの妹トルティニタをはじめ,さまざなま人々との交流が物語を動かしていく。
週に一度届く恋人からの手紙と,この街に引っ越して来たときに出会った部屋の居候,身の丈10センチほどの小さな音の妖精フォーニが,彼の世界のすべてでした。
雨──,いつまでも,止むことなく降り続ける雨。
雨音が奏でるメトロノームにのせて,魔導奏器フォルテールの音色を響かせましょう。
クリスの奏でる音色と,音の妖精フォーニの歌声が重なり,響き渡るとき,何かが起こるのでしょうか?
……さぁ,妖精の歌を奏でましょう。
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