最新作のタイトルは「デジタル・デビル・サーガ　〜アバタール・チューナー〜」。硝煙と決して止むことのない雨に煙る近未来の都市，ジャンクヤードを舞台にしたRPGだ。

　主人公となるのは4人の仲間とトライブ【エンブリオン】を組むサーフ。彼らは，ジャンクヤードの覇者だけが到達できるとされる楽園の地【ニルヴァーナ】を目指し，ほかのトライブといつ果てるとも知れぬ抗争に明け暮れていた。

　ある時，サーフたちは戦闘の最中に謎の物体【ツボミ】からはじき出された無数の光球に汚染され，悪魔へと変身する力【アートマ】に覚醒してしまう。

　全てを喰らい付くせと命じる本能の本流に飲み込まれるサーフたち。しかしサーフたちは，悪魔化を抑制する力を持つ黒髪の少女・セラに助けられる。

　そして抗争の審判を務める【カルマ教会】からは，「黒髪の娘を連れ，【ニルヴァーナ】に上がってきた者をジャンクヤードの覇者と認める」という号令が突然発せられた――。

　注目の戦闘システムは従来の「真・女神転生」から大きく変更された。プレイヤーは戦闘で“悪魔に変身して”戦い，倒した敵を“喰らう”ことで能力を覚えるための経験値，AP（アートマポイント）を獲得する。　そしてこのAPを“マントラ”と呼ばれる成長技能習得プログラムに貯めることで技能を習得する仕組みだ。

　このほかにもスキルを組み合わせた合体技“リンケージスキル”，戦闘に一定の影響を与える“ソーラーノイズ”といった戦略的な要素も多く詰め込まれている。 人間のままで戦うか，悪魔化して戦うかなど，状況に応じた戦闘を楽しめるのもポイントだ。

　もちろんキャラクターデザインは，シリーズを通して世界観を構築する悪魔絵師・金子一馬氏。そして金子氏が描くキャラクターを，板野サーカスで有名な板野一郎氏が見事に演出する。

　束の間触れあい，そして消えていく幾つもの思い。そしてサーフたちを待ち受ける驚愕の事実……アニメーションの手法を存分に取り入れた新しい「メガテン」を，「DDS」で存分に楽しむべし。