フランカー,F16,タイフーン……新旧さまざまな戦闘機が登場する「エアフォースデルタ ブルーウイングナイツ」には,テレビ・雑誌などで活躍する軍事評論家・岡部いさく氏がアドバイザーとして参加しているのはご存知のとおり。氏の豊富な知識と経験が,このゲームに生かされているといっても過言ではない。
機体はどうのようにしてピックアップされたのか? 制作にまつわる裏話とは……? ファン必見の裏話を,岡部いさく氏と開発プロデューサーの神子敏康氏に直撃インタビューしてきたぞ。
Q:まず神子さんにお伺いしますが,今回岡部いさくさんにアドバイザーを頼むきっかけになったのはなんだったんですか?
神子:以前にかかかわったプロジェクトの仲間から,偶然岡部さんを紹介していただきました。もともと,岡部さんが軍事評論家と知っていましたし,岡部さんと同じく僕もイギリス軍の機体が大好きだったので,ぜひ「デルタ」の企画に絡んでほしいとお願いしました。
Q:“アドバイザー”という形での参加ですが,主にどの分野で関わっているんですか?
神子:岡部さんには物語の軍事的側面よりも,登場する戦闘機そのもののアドバイザーとして参加していただきました。制作側としては,岡部さんの有り余る知識と拘りに大いに助けられました。
また,購入特典にはキャラクターデザインを担当した司氏と一緒に機体解説とイラストを書き起こして頂きました(コナミスタイル専用商品発売中)。
Q:岡部さんは,ゲーム作品は今回が初めてですか?
岡部:過去に攻略本の解説とか,飛行機シューティングゲームの広報のお手伝いをさせていただいたこともあります。でも,量と深さ,という点で言えば,「エアフォースデルタ」ほど深く関わったゲーム企画はありません。
Q:「デルタ」ではレシプロから最新戦闘機まで数にして150機以上の機体が登場しますが,最初,企画書(リスト)を見たときはどう思われましたか?
岡部:ゼロ戦から最新鋭機体や試作機まで,ポピュラーな機体とマニアックな機体が勢揃いしていて,ここまで出すのか!? と驚きました。
飛行機好ききとしては,「おーやってくれた!」と思うんですが,「一般ユーザー向けとしていかがなものか?」とおせっかいな危惧を感じたほどでした(笑)。
Q:ゲームでは,なかなか飛行シーンを見られない機体を飛ばせますよね。
岡部:そうです。試作機や最新の機体などは,なかなかその飛行シーンを目撃することは出来ないものが多いので,飛行機ファンとしてはそういったところを見るだけでもかなり楽しいと思います。しかも自分で操縦できますからね。
Q:数も膨大ですが,その機体のディテールなどもリアルに再現されていますね。
神子:機体に関しては,岡部さんとはいろいろとよく分からない話をしましたよ(笑)。「F-101ブードゥー(アメリカ)のミサイルハッチは機体両側についているのは本当でしょうか?」とか,「バッカニア艦上攻撃機(イギリス)の爆弾倉のふたは右回りで開くのか,左回りで開くのかとか?」とか。普通だれもそんなトコ気にしないんですけどね。かなりこだわって制作したつもりです。
岡部:そうそう。「神子君,この飛行機はこうじゃないんですか」と私が修正を入れるというよりは,逆に神子さんのほうから「この飛行機はこうなんですけど,ここまでゲームでやっていいもんなんでしょうか」っていうご相談をかなりいただいいたきましたね(笑)。私が「どうだろう,一般ユーザー的にそこが動いて嬉しいかな?」という,ちょっと変な(!?)状況になっていました。
神子:実機がゲームに登場する以上どうしても作らざるをえないので,とにかく調べましたよ。
Q:今回,制作の上でメーカーさんから図面提供を受けたと聞いたのですが?
神子:一部のメーカーさんからは,写真に限らず図面を頂戴することもできました。ロッキード社に至っては,スーパーデザイナーと呼ばれる方が出ていらして,私が必要としない資料までいただきましたね。個人的にはすごく嬉しかったですけど(笑)。
でも逆に,ある試作機のインテークが「どのくらい開くのか?」って問い合わせたところ「そんなの知るかっ」っていわれたこともありましたけど……(笑)。
Q:これだけ出てると,ライセンスを取るのが大変だったと思うんですが……。
神子:途中で真面目にやめようかと思いました(笑)。
各社と交渉しつつ制作していましたが,広報の窓口の方では「どんどんやってください」という声をかけていただいても,法務に行くと「うちはそれの権利を持ってない」ということになったり。とにかく世界中にコンタクトはしました。実はこれでも断念した機体がけっこうあるんですよ。 次のページへ
メーカー:コナミ |
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2004年2月5日発売 |
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