ストーリーモードでユィ・イェンの次にプレイすることになるのが彼女だ。

　原作映画では主役級のキャストが4名（ユィ・イェン，ユー・シューリン，リー・ムーバイ，ロー），2組のカップルとして登場するが，視点が変われば行動やシチュエーションも当然違ってくる。

　さまざまな角度から，おのおのの『クラウチングタイガー・ヒドゥンドラゴン』を大ボリュームで楽しめるのも，ゲームならではの魅力といえよう。

　そんなある日のこと，修行を切り上げたムーバイが来訪し，剣の道を捨てるとともに，グリーン・デスティニーをティエ老師に寄贈したいと言い出す。

　師の心境の変化に困惑しながらも，彼女はティエ邸へグリーン・デスティニーを届けに行くことになる。

　そしてその夜，グリーン・デスティニーが何者かに盗まれてしまう。

　シューリンはあと一歩のところまで賊を追いつめるが，惜しくも逃げられてしまう。

　グリーン・デスティニーが盗まれる前日，シューリンはティエ邸で催された歓待に招待され，その席でユィ長官の娘，ユィ・イェンと出会っていた。

　人となりも分からない男の妻という窮屈な未来を捨て，剣士として生きたいと願うイェンと，実際に剣で身を立ててきたシューリンは互いに打ち解け，姉妹の誓いを交わす。

　グリーン・デスティニーを盗んだ犯人が長官邸へ逃げ込み，周辺の張り込みを続けるうちに，シューリンは賊がイェン本人であることに気付き始めていた。

　やがて，若さゆえの無茶を通すイェンに彼女は憤り，ほどなくしてその誓いは破棄されてしまうことになる。