遠い昔，19の魔法の指輪が作られた。

　そのうちの3つがエルフ族に。7つはドワーフの族長たちに。そして9つの指輪は人間に渡された。これらの指輪は，同族を治める力と意志をもたらした。だがそれは罠だった。さらに“一つの指輪”が作られたからである。

　モルドールの国，滅びの山の火の中から，闇の冥王サウロンは19の指輪すべてを統べる“一つの指輪”をひそかに作り出したのだ。

　生きとし生けるものを支配せずにはおかないサウロンの残酷で邪悪な意志が，この指輪に注ぎ込まれ，ひとつ……またひとつと，“中つ国”の自由な大地は指輪の魔力に飲まれていった。

　だが，人間とエルフの連合軍は，モルドール軍の侵攻に反撃。滅びの山の裾野で，中つ国の自由を賭けた戦いに勝利した。

　しかし，人間の王子イシルドゥアは，指輪の魔力に取り憑かれ，指輪を葬ることを拒否した。そして一つの指輪を永遠に葬り去る機会を失っていった。

　時は流れ，“一つの指輪”はホビット族のフロドの手の中にあった。偶然のなりゆきから“一つの指輪”の持ち主となったフロドは，8人の仲間と共に指輪を葬る旅に出たが，途中で仲間の一人，ボロミアを失ってしまう。

　しかも戦いの中で一行は，散り散りとなり，別の道を歩むことになってしまう。

　そして旅の仲間は今，4組に分かれ，中つ国を救う旅を続けていた。人間の国・ゴンドールを守り抜くアラゴルンとレゴラス・ギムリ，滅びの山へと足を進めるフロドとサム，さまざまな出会いを通して冒険を続けるメリーとピピン，そして試練を超え，新たな力を手にしたガンダルフ。果たして旅の仲間たちは，無事に“一つの指輪”を葬り去ることができるのか？

　そして中つ国の運命は？