……ボロボロの格好をした1人の旅人がある日ケントニスへとやってきた。市場でにぎわう噴水広場で,彼は突然不思議な術を披露し始めた。さまざまな器具を取り出し,鉄のような金属片を加工する。しばらくして取り出されたもの,それは黄金だった。「これが黄金を作り出す,錬金術だ」
この一件で錬金術はケントニス中に広まり,それを専門に扱うアカデミーも誕生した。永遠に発展するかと思われた錬金術はしかし,旅人の死により停滞した。アカデミーが出した結論は,世界各地に優秀な頭脳を広めること。その中の1人にドルニエがいた。彼は,ケントニスより東の地にて,リリー,イングリド,ヘルミーナと錬金術を広めることを任務としていた。長旅の果てにたどり着いたザールブルグ。彼らはここで,錬金術を花開かせることができるのだろうか。旅は始まったばかりだ……。
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