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本根康之氏プロフィール
株式会社モノリスソフト 取締役 開発本部 グラフィック統括部 部長
'93年にスクウェアに入社。同社では,クロノクロス,ゼノギアスのアートディレクターを務めるなど,数々のタイトルを手がける。その後,'99年にモノリスソフトに入社。取締役開発本部
グラフィック統括部部長に就任。本作ではアートディレクターを務め,グラフィック全般を統括している。
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●監督とスタッフとの橋渡し役
--本根さんは,「ゼノサーガ」ではグラフィック部分の統括をされているとのことですが,具体的にどのようなことをされているのでしょうか。
本根 立場的には「ゼノサーガ」の美術監督をやっています。上がってきたグラフィックをチェックしたり,クリエイターに仕事を割り振ったりしています。
--仕事のおおざっぱな流れを教えていただけないでしょうか?
本根 高橋がクリエイターに指示したことに対するフォローや,高橋と初めて仕事をするたちに,彼のやり方を理解してもらえるように架け橋的な役割もしています。
--高橋監督の仕事のやり方には特徴などはあるんでしょうか。
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PS2になったことで,技術的にできることは飛躍的に進歩したとのこと。「ゼノサーガ」では,CGキャラクターをリアルタイムで動かすことで,イベントシーンと通常画面との間に違和感がないように工夫している。 |
本根 ある一線までは,信頼した人にすべて任せてしまうんです。「じゃあ現状はこうなっているのであとはよろしく!」みたいに(笑)。で,スタッフには,それぞれができるぎりぎりのレベルまでで,最高のモノを要求するんですよ。やるからにはよりよいモノを作ろうということで。ただし,無茶な注文はしないんです。そのかわり,できる限り努力をしてくれとハッパをかけるわけです。
--監督は個人個人には詳細な指示を与えたりはするんですか?
本根 それが特に具体的な指示は出さないことが多いですよ。それぞれの裁量に任せてくれているわけです。だから初めて一緒に仕事をする人は面食らって,何やっていいかわからなくなるんじゃないでしょうか。だからこそ,総括的な部分では,私がスタッフと高橋との橋渡しをしているんです。
--なるほど。大変な仕事をされているわけですね。では,本根さんご自身の本職であるグラフィックの仕事では,どのようなパートを担当されているんですか?
本根 基本的には主にフィールドマップを担当しています。ゲームのバックグラウンドの部分ですね。
--それ以外にキャラクターのグラフィックにも関わられているんですか?
本根 はい。ただしキャラクターに関しては,最初に高橋と話をしたときに,PS2でゲームを作るからには,キャラクターはハイレベルなモノを創らないとダメだよねと話をして,どうしようか悩んでいたんです。そんなときに,「クロノクロス」でCGのディレクターを務めていた高見が,モノリスにきてくれたんです。おかげでキャラクターまわりは,彼に任せられるようになったので,自分はすごく楽をさせてもらっています。
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