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3画面マルチ環境の「GT4」で感じる次世代ゲームの方向性ゲームレビュー(1/5 ページ)

ゲームの質だけでなく、PS2の能力を活かした機能が詰め込まれた最新ドライブシミュレータ「グランツーリスモ4(以下GT4)」。今回は、その機能の中でも最も環境構築が難しいマルチモニタプレイを検証してみた。

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 その圧倒的な質感とボリュームにより、他の追随を許さないコンシューマ系リアルドライビングゲームの代表格が「GT=グランツーリスモ」シリーズであることに異論を挟む者はいないだろう。

 ドライブ(レース)ゲームは長年にわたり根強い人気を誇るジャンルのひとつだが、ここ近年は自由度の高い世界観でプレイヤーを圧倒した「GTA(グランド・セフト・オート)」シリーズ、爽快感を追求した「バーンアウト3」をはじめ、リアル性よりもゲーム性を重視して成功した海外作品が増えている。

 しかし、こうしたトレンドもまた、その対極とも言えるリアル性・シミュレータ性重視のドライブゲームの頂点側に「GT」シリーズがいるからこそ……といえる。


 さて、そのシリーズ最新作となる「GT4」だが、そのシミュレータ精度の格段な進化、B-specモードやPhotoモードの搭載をはじめゲーム的に見て語るべきところは数多い。だが、今回はあえてそのなかからGT4における「マルチディスプレイ環境によるドライビングプレイ」について取り上げてみたいと思う。

 実は、GT4は複数のPS2をネットワークでリンクさせることで、最大6台のPS2による通信対戦や最大6画面のマルチモニタプレイが可能になる機能がデフォルトで用意されている。この機能自体はマニュアルにも書いてあるし、前作「GT3」にも実装されている機能のため目新しいニュースではない。が、GT3ではi.LINKを使った(ある意味特殊な)通信方法だったのに対し、GT4ではLANを使ったネットワークに変更されかなりお手軽にマルチモニタ環境を構築できるようになった。そこで今回は、その通信環境構築の方法からレクチャーしていくことにしよう。

「マルチモニタプレイ」に必要な機材とは

 前項で述べたようにGT4では、合計6台のPS2をネットワーク接続可能な仕様になっている。マルチモニタ時の画面は従来のゲーム画面を中心に「左側面」と「右側面」、さらにその3画面の上に位置する「左上」「上」「右上」に追加できる。マルチモニタプレイに限って言えば、3台でも十分だろう。

 これは、上部の3画面は実際のクルマでもルーフ部分=見えない部分にあたるため、あまりドライビング時に必要な情報ではないからだ。もちろんニューヨークなどの高層ビルがそびえたつ場所では高さの演出が加わり臨場感は確かに増すが、パーマネントサーキットでは空が映し出されるだけのディスプレイとなってしまう。なので、マルチモニタの効果を体験するには「とにかく3台のPS2をリンクさせる」ことが肝要となる。必要な機材は、以下の通り。

1ネットワークアダプターを備えたPS2×3台
2PS2用ソフト「GT4」×3本
3PS2専用メモリーカード×3個
4イーサネット スイッチングハブ(3〜6ポート)×1台
5LANケーブル(ストレートタイプ)×3本
6TV(PS2接続用のAVケーブル含む)×3台
7GT FORCE Pro、ドルビープロロジックII 対応ヘッドホン


「ネットワークアダプターを備えたPS2」とは、イーサネットを備えたポートを装備したPS2のこと。最も普及しているタイプのPS2(型番:SCPH-30000〜50000番台)の場合は本体背面の拡張ベイに、また初期タイプのPS2(初代〜3代目までの型番SCPH-10000番台)の場合は背面のPCカードスロットに「専用ネットワークアダプター(価格約4000円)」を差す必要がある。なおPlayStation BB Unitを持っている人は本アダプターが装着済みなので買い増しする必要はない。薄型モデルの新型PS2(型番:SCPH-70000)では標準搭載されているので、今からそろえるなら薄型PS2のほうが断然おトクだ

GT4のソフトは3本用意しなければならない。また各PS2に対してネットワークの設定データを個々にセーブする必要があるため、メモリーカードも3枚必要となる

イーサネットスイッチングハブは当然3ポート以上のものを。100Mbps以上の通信速度に対応した機器が推奨されているが、いまや5ポート、8ポートで10/100Base-Tのスイッチングハブは3000円代でも買うことができる。LANケーブルはPS2同士を直接つなぐ2台リンクの場合はクロスタイプ、それ以上はストレートタイプを用意してハブに接続する、というルールはPC環境と同じ

ポイントとなるのはディスプレイ選び

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