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3画面マルチ環境の「GT4」で感じる次世代ゲームの方向性ゲームレビュー(4/5 ページ)

ゲームの質だけでなく、PS2の能力を活かした機能が詰め込まれた最新ドライブシミュレータ「グランツーリスモ4(以下GT4)」。今回は、その機能の中でも最も環境構築が難しいマルチモニタプレイを検証してみた。

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アスペクト比はなんと1:5.3! その凄まじい臨場感

 こうしてついに3台のマルチワイドモニタが実現できた。そのドライビング感覚はと言えば、もう写真を見てもらえばわかるように「強烈」の一言だ。GT4は画面全体をスクゥィーズすることでワイド画面に対応しており、通常ならこれでも臨場感のあるドライビングを楽しむことができる。が、このスタンダードサイズの4倍にもなる画面情報量が生むプレイ感覚を味わうと「今まで自分が体験していたドライビングゲームとは何だったのか」とカルチャーショックを受けるだろう。


これが画面の縦横比率で見る情報量の違い。上からスタンダード(4:3)、ワイド(16:9)、スタンダードマルチ(12:3=4:1)、ワイドマルチ(48:9=16:3)。スタンダードとワイドマルチを比べると、画面から得られる情報量は4倍もの差があることがわかる

 一般に人間の視野角は左右方向に110度、左右合わせると150度前後が限界と言われているが、このワイドマルチはその人間の肉眼で限界を超える150度を超えて160度近くまで視野が確保されてしまう。一見、無駄に思えるが、ここまで広がると実際のクルマとほぼ同じ視野角」となり、今まで見えなかったコースの先が見渡せるため、結果的にドライビングしやすくなることに気付くだろう。

 人間はクルマを運転している時、目に見える全体の雰囲気を見て曲がる場所を確認し、距離や位置関係を補正している。マルチモニタ環境を体験すると、このちょっとした“リッチな情報”がドライビングの質に大きな影響を及ぼす。

 実際にクルマを運転したことがある人なら分かると思うが、シケインや大きなRがついたカーブを曲がる時、人は自然と自分が進む先の状況を知ろうと、無意識にフロントウインドーより左右に位置するサイドウインドーから見える風景に焦点を合わせることがある。通常のプレイでは視野の左右にぼんやり見えているにすぎない背景も、状況によって人間は利用しているわけだ。


マルチモニタプレイでは、カメラビューの切り替えで見られる全体視点の印象がまったく変わってしまう。こちらはアマルフィ・サーキット後半のヘアピンコーナーの一場面だが、実際のクルマ視点に一番近いのはボンネットビューであることが分かるだろう。3画面になるとコース全体のRや高低差がよく分かるだけでなく、通常は見切れてしまっている観客達の動き、また周囲の風景まで写し出され迫力あるドライビング体験を得られる。なお画面の左右は真横の視点に近くなりパースがかかるので、左右のモニタは並行に並べるよりやや中央側に傾けドライバーを包み込むように設置するといいだろう

今年オープンする富士サーキット2005Fのマルチモニタプレイの一場面。人間の視野角を超える表示が行なわれるワイドマルチ画面だが、右→左に折れ曲がる直角のこのシケイン手前では中央モニタに映し出された右コーナーのクリッピングポイントと、右モニタに映る左コーナーの位置関係がドライバーが必要とする情報になる。実際にこの場所を3画面でドライブすると、最初のコーナーに差し掛かるポイントで次のコーナーの体制を整えるために目線が明らかに右モニタ側に寄る=必要な画面情報は右モニタ側にもあることに気付いてしまうはずだ

マルチモニタプレイで真価を発揮するのは、ミューの低いオフロード走行だろう。180度ヘアピンなどでは車体を真横に傾けながらコースにドリフト進入することもあるため、モニタ1画面だとコース全体が見切れてしまい状況把握がしづらいことがよく分かる。路面の片側が絶壁となるこのグランドキャニオンでは、谷底との距離感がつかめるマルチモニタでなければ真の自然の雄大さが分からない

リッチな画面情報が生み出す強烈なゲーム体験

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