「英雄伝説 ガガーブトリロジー 朱紅い雫」をやってみてPSP周辺機器を切望する(2/3 ページ)
いつでもどこでも好きなときにプレイができて、すぐにスリープさせられるのが利点である携帯ゲーム機。そんなハードに最適なのが、RPGではないだろうか。今回は、バンダイから発売されている「英雄伝説 ガガーブトリロジー 朱紅い雫」をレビューしてみた。
パッと見は平凡でも、そういった細かいところまで注力すると、かなり作り込まれているのがよく分かる。他にもクリアしなければならないイベントが発生した場合、話を聞くべきキャラが分からなくなり、結局全員と会話をするハメになるのがこれまでのRPGだった。しかし本作では、話すべき相手やチェックする必用のあるアイテムには「!」マークが表示されるため、それだけを押さえればイベントがクリアできるようになっている(PH06入る)。
これはなかなか親切な配慮だ。無駄足を踏むことなく、確実にストーリーを追えるのだからありがたいもの。とはいえ他の人に話を聞いたりイベントをクリアすれば、年表が少しずつ埋まっていく楽しみもある。ゲームとは関係ないものの収拾癖をくすぐる要素だけに、コレクターには悩ましい項目だろう。
街を出ると、敵がいるフィールドへと画面が変わる。敵はフィールド上をふらついていて、接触すると戦闘開始だ。面白いのは、敵に自分より強いか弱いかを示すアイコンがついているので、無駄な戦いをしかけなくて済む点。敵は見えるので、逃げ回って目的地へたどり着いてもいいわけだが、途中にはボスクラスのキャラが待っている場所もある。そういったところで負けないためにも経験値稼ぎが重要なのだが、そんな時に弱い敵を相手にしなくても良いというのは、かなり楽だ。
戦闘シーンはコマンド選択式で、敵味方合わせて素早い順に行動するようになっている。全員が行動し終わると1ターン終了という、一般的なターン式の戦闘だ。敵との距離があまりにも遠いと、攻撃命令を下しても移動だけで終わってしまう場合がある。何回かプレイしてみれば、すぐにコツが飲み込めるほど簡単で、あまりRPGをプレイしないという人でも問題なく遊べる点は評価したいところ。
また、攻撃したり敵からダメージを受けるとパワーゲージが溜まっていき、一杯になると各キャラ固有の必殺技が使える。これがとても強力で、序盤のボスなどはほぼ一撃で倒せてしまうほど。こういったところを見ても、RPG初心者に優しくできていると感じた。 最近は突き放したRPGも多いので、電車の中などで手軽にプレイするタイトルとしては、ピッタリだろう。
とはいえ、魔法などのエフェクトがもっさりしているため、テンポはちょっとゆっくり目で進行する。気の短い人だと、相手が魔法を使うだけでイライラしてしまうかもしれない。
また、敵のHPが表示されないのはともかく、せめて目安だけでもいいからHPバーなどがほしかったところ。同じ敵が複数登場すると、直前にどの敵を攻撃したかが分からなくなってしまうからだ。このあたりまでフォローがきいていれば、もう少しユーザーフレンドリーな戦闘シーンになったと思われるだけに、ちょっと残念。
PSPの操作性に疑問を感じつつも……
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